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 大口需要家に節電を義務づけた電力使用制限令が解除され、企業活動が本格化した12日、東北電力は「気温が想定を上回った」として最大電力需要を70万キロワット引き上げ、1150万キロワットに変更した。これにより、需給逼迫(ひっぱく)の危険が出たため、同日午後1時から7時半までの緊急的な措置として、東京電力に30万キロワットの電力融通を要請した。



 要請を受け、東電による東北電への融通電力は、もともと予定していた30万キロワットと合わせ、計60万キロワットとなった。これにより、東北電力の供給力は1179万キロワットから1209万キロワットに増強。需要に対する供給力の余力を示す予備率は、安定供給を維持する上で必要とされる5%を上回る5・1%となる。



 追加融通がなければ、予備率は、制限令下で需給逼迫警報発令の対象となる3%未満の2・5%となっていた。



 東北電はこれまで、制限令解除後の電力需給について「解除により増加が見込まれる数十万キロワット分は、気温の低下により相殺される」とみて、追加の供給力の手当てをしていなかった。だが、週明け12日は管内の宮城や福島、新潟の3県などで気温が上昇。湿度の上昇も手伝い、冷房需要による使用電力が急増したとみられる。



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 東日本大震災後の電力不足の懸念から県や自治体が節電努力を続けている。県庁舎の8月の電力使用量は前年より13・5%削減。大和郡山市は対策強化のため、最大使用電力(需要のピーク時の使用水準)を監視する装置を市役所に設置した。

 県庁では7月から窓際の消灯や定時退庁、エレベーターの間引き運転などを続けている。その結果、目標の1割以上の節電を達成した。7、8月の平均削減率は14・2%。県管財課は「県民のみなさんも努力しているので、引き続き頑張りたい」としている。

 大和郡山市が設置した監視装置は、昨年8月の最大使用電力から15%削減した値に近づくと、警報音が鳴る。警報音が鳴ると、市は庁内放送で不要照明の消灯徹底など緊急の節電行動を呼びかける。

 同市は6、7月の市役所の電力使用量を前年同月比で30%以上削減した。しかし、7月の最大使用電力は13・62%減の425キロワットで、関西電力が要請した15%削減には届かなかった。昨年8月の最大使用電力は530キロワットで、15%削減値は450キロワット。【熊谷仁志、山田宏太郎】



9月11日朝刊



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 財務省は9日、東日本大震災からの本格的な復興対策や円高対策などを柱とする11年度第3次補正予算案について、各省庁からの要求を締め切った。経済産業省は東京電力福島第1原発事故への賠償に万全を期すため、東電の資金繰りを支援する原資となる「交付国債」の枠を現行の2兆円から5兆円に拡大することを要望。円高対策では工場などの国内立地を促す補助金として約5000億円を要求、産業空洞化の阻止を図る。また、環境省は福島県内での放射性物質の除染を、農水省は津波で塩害を受けた農地の復旧策などを盛り込んだ。



 ただ、沿岸部の住民移転策など、地元の意向や計画が決まっていないことから要求金額を公表しない項目も相次いだ。



 政府は今月中旬にも予算規模を固め、月内の与野党合意を経て、早ければ10月中旬に予算案を国会に提出したい考え。



 ただ、総額で10兆円前後に膨らむと見られる歳出の裏付けとなる臨時増税をめぐる与党内や野党との調整は容易ではなく、予算提出がずれ込む可能性もある。



 ■復旧・復興



 農水省は、壊滅的な打撃を受けた被災地の農水産業の復興に向けて、水産加工や流通機能を備えた拠点漁港の整備や、農地の大規模集約化支援などの助成金を盛り込んだ。原発事故の被害を受けた福島県内の農地の除染費用をはじめ、「要求金額はまだ精査中」とするが、要求総額は数千億円規模にのぼると見られる。



 国土交通省は被災地の住民の集団移転や土地区画整理、港湾施設復旧などを要求に盛り込んだが、明確な金額は示さなかった。



 一方、経済産業省は福島県に再生可能エネルギー研究拠点を整備する費用として1000億円を要求、原発に依存しない社会作りを見据えたモデル事業を提案した。厚労省は被災地での長期雇用創出のための費用も計上した。



 被害の深刻さを反映し、1次補正で巨額の予算を組んだがれきの処理費用や、災害弔慰金については、一段の積み増しを要求。国交省は被災者向けの災害公営住宅整備を1次補正時点の1万戸に2万戸を追加する方針だ。



 原発事故に伴う東京電力の賠償資金支援のための「交付国債」の発行枠も、現行の2兆円から5兆円に拡大する要求を出し、迅速な賠償支払いに備える。



 ただ、津波被害に遭った宮城や岩手県の沿岸部住民が高台や内陸部に集団移住することへの支援事業は要求額を公表していない。地方側が求める国の全額負担や助成上限額引き上げについて調整がついていないためだ。



 被災自治体からは、使途の自由度が高い一括交付金や基金の創設を求める声が強いが、政府側の方針が定まっておらず、「現時点の要求額は大きく変わる可能性がある」(環境省)と流動的な部分が多いのが実情だ。



 ■空洞化



 円高に伴う産業空洞化対策では、経産省が企業の国内立地推進に5000億円を要求。基幹部品や成長分野の生産・研究開発拠点の国内立地に補助。「円高で海外逃避が懸念される企業の投資を国内につなぎ留める」(鉢呂吉雄経産相)ことを狙う。



 また、経産省は被災地の企業支援もにらみ、輸出案件獲得に向けた調査費などに90億円、ハイテク製品の製造に不可欠なレアアース(希土類)などの鉱山買収や代替技術開発支援などに280億円をそれぞれ要求した。



 ■電力不足



 一方、経産省は原発の長期停止で来夏にかけて電力不足が深刻化する事態に備え、省エネ設備整備を助成する「節電エコ補助金」に2000億円、石油備蓄の強化などに300億円も求めた。



 エネルギーの安定供給を進め、企業や家庭を下支えする。【まとめ・坂井隆之】



 ◇交付国債とは…



 国が現金を支払う代わりに、あらかじめ発行する無利子の債券。受け取った側は必要に応じてその都度、現金化する。バブル崩壊後の金融機関の破綻処理で預金保険機構に交付したのが代表例。東京電力福島第1原発事故の賠償では、被災者や損害を受けた企業などへの賠償額確定に時間がかかるため、国は東電の資金繰り支援で交付国債を活用することにした。交付国債は発行時に全額を予算に計上する必要がなく、当面の財政悪化を防ぐ利点もある。



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