僕にとって、そして世界にとっても激動の一年となった2024年が幕を下ろし、2025年のカレンダーがめくられ始めてから、驚くべきことに間もなく10日が経とうとしている。たった10日、たった240時間とみる向きもあれば、既に一年365日の1/36が経過しかけている、という見方もできるだろう。人間の尺度というのは人により実に多彩な見方ができるもので、それがこの世界の面白さでもある。そう思うのはきっと、僕だけではないだろう。

 

 

 

 さて、本年は干支にすると巳。俗にいう蛇年である。干支そのものに関して言及するなら、年越しや新年に関わるこの時期だけやたらと多く登場する割に、夏や秋には動物園以外でほとんどその名を見ないのがあまりに露骨かつ不自然で、なんというか「くすっと笑える」話である。世界のどこかに干支をビジネスにしているような不届きもの素敵な紳士の皆様でもおられるのだろうか。いるとしたらぜひ飛んで行って、商売のコツなんかをきいてみたいものだ。

 

 へびといえば世界保健機関(WHO)のシンボルマークにも登場するほど「医学」や「健康」との結びつきが強いシンボルであることでも有名である。一般的にはコブラやマムシにも代表されるように「毒蛇」の印象から真逆のイメージを抱きがちだが、実は脱皮を繰り返す姿が「蘇生」の象徴とされ、古代ギリシャで癒しの神として崇められたアスクレピオスがへびに姿を変えて疫病を鎮めたという伝説もあることから、世界的に見れば蛇はむしろ生命力の象徴として長い歴史を持つといえるだろう。また蛇は農作物を食い荒らす小動物を食べることで人類の発展に貢献する益獣であるほか、「毒を以て毒を制す」ということわざの通り蛇毒の血清は蛇毒から作られるという事実もあるためあながち有害というばかりでもなく、蛇と聞いて時ならぬ悲鳴を上げる常識はもはや過去のものなのかもしれない。

 

 そんなへびだが、全天に88存在する星座でもとりわけ多くの星座のモチーフとなっており、「へび座」のほかにも「うみへび座」「みずへび座」そして「へびつかい座」と4つの星座が存在する。このうちへびつかい座に関して言えばモチーフは先ほど名前が挙がったアスクレピオスであるのだが、あまりに優秀な医者であったために死者の蘇生まで行えるようになってしまった結果、死者の国とのバランスを乱したことで冥神ハーデースの怒りを買い、雷撃で撃ち殺されたのち紆余曲折を経て星座となった、という神話がある。何事も進歩しすぎることは神の不興を買うということか。どこか現代にも置き換えられそうな、身につまされる話である。

 新年早々重めの神話の紹介でした。…ヘビーだけに。

 

 

 さて、長すぎる枕噺にオチを付けたところで、ようやくこのブログの主題である「ボート部について」の内容である。ここでは過ぎ去りし2024年のトピックのうち、僕自身の怠慢により記事になっていなかった内容から一部抜粋し、その様子を僕なりの視点から読者諸氏にご紹介できればと思う。

 

 まず一点目。去る12月14日、新潟県立南高校さんの艇庫で行われたのは「インドアローイング大会」である。その名の通り、県内複数の高校・大学に点在するボート部が一堂に会し、2000メートルのTT(タイム・トライアル)をエルゴで記録する記録会である。本格的な漕手転向が11月であった僕としては、エルゴ競技ではありながらもボート部選手として参加する初めての公式記録会ということでワクワクしながら参加したのであるが、現実は非情である。参考記録なしという特記事項があったにせよ、なぜか最下位グループではないグループに配置されるという謎の配置ミスもあり、否、そのミスに関わりなく、結果は高校生も含めた男子選手でぶっちぎりの最下位。女子まで含めても危うく全体ビリという、なんとも悲しいタイムであった。しかし何よりきつかったのは漕ぎ終わった後。超ハイレートでの逃げ切り作戦が完全に裏目に出た結果肺活量の限界を迎え、規定距離終了後も動くどころか口を開くことすらできず、次の組の邪魔にならないようにY先輩に運搬され休憩場所まで移送される羽目に。20分間立つことすらできずぶっ倒れているなか、隣でFさんと会話していた新入部員のOさん。「エルゴって楽しそうだね、私もやってみたい」というあなたの発言にはぶったまげました。そのエルゴを全力で引いた結果、息も絶え絶えなひょろひょろビギナーがあなたの足元にいますよ。
 しかしこの発言をよくよく吟味した結果思い出すのは、インカレ用の記録会で外野の安全な立場からまさしく同じような発言をしていた自分の姿である。「外野から見る分には楽しく見える」のは競技の発展要素として重要なファクターの一つであるし、こうして順調に同じ意見が受け継がれていくのはある種健全な部活である証拠なのだろう。

 

 それに、高校からの経験者であるNくんA先輩や成長著しいTくんがお褒めの言葉をかけてくれたことも正直とても嬉しかった。特に「お前は途中でエルゴに吸い込まれるかと思った」とまで言ったTくんが最後まで漕ぎ切ったことを褒めてくれたのは自信に繋がった。それでも。僕は思う。この大会で感じた感情は、喜びや自信だけでは絶対にない。

 

 

 「執念は悔しさから滲み出てくるものだと思います」

 

 

 2020年からサッカーJリーグのブラウブリッツ秋田で監督として指揮を執り、就任初年度にJ3リーグ優勝を成し遂げクラブをJ2に導き、いまもなおJ2秋田で奮闘するその手腕もさることながら、記者会見中に繰り出す独特のワードセンスがたびたび注目の的になる吉田謙が、2023年シーズン序盤、敗戦となったV・ファーレン長崎戦後に残したコメントである。全く種類が違うとはいえ、高校時代までサッカーという運動を、曲がりなりにも12年間続けてきた。この結果に悔しさが残らないわけがない。

 だから、様々な人が褒めてくれたとしても、その期待は越えなければきっと意味がない。この先の成果は、過去の自分に克ち切る努力と執念で掴み取る。僕にとってこの大会は、そんな決意のきっかけにもなった、多くの実りあるものであった。

 さて、次の記録会は(部内開催ではあるが)2月だと聞く。努力を重ねた先に、いったいどんなドラマが待っているのだろうか。今から楽しみでならない。

 

 

 

 もうひとつ。12月21日、クリスマスマラソン。当日が平日のため直近の休日であるこの日に。こちらの内容で伝えたいことは本当にシンプル。

 地元出身のNくん、タイ順位とはいえ1位おめでとう。そして完璧なコース案内をありがとう。おかげで3位が取れました。本当に感謝しかない。でも来年は今年宣言して果たせなかった1位獲り、真剣に狙うから覚悟しててね。あと純マネージャーのHさんKさん、それと僕の代理でお手伝いに入ってくれたA先輩、めちゃうまケーキと料理、ありがとうございました。満腹で3位賞品のケーキを食い切れなかったのが心残りです。あとTくん、楽しい企画の進行をありがとう。今後の参考にさせてもらいます。

 

 こんなところだろうか。旧年の心残りは旧年中に、とはいったものだが、残念なことに新年に持ち越しとなってしまった。今年はせめて広報である僕だけでも、更新頻度を多少上げられるようにしていきたい。理想の更新頻度はあるがそれをここに宣言してしまうと絶対に怠けるので敢えて示すことはしない。そしてこれが、広報・谷村として目指す、今年の目標の一つとなるだろう。

 

 

 

 

 

 新潟大学ボート部に関わってくださる全ての皆様へ。あらためまして、あけましておめでとうございます。皆様にとって、2025年が飛躍の年となりますように。本年もどうぞ、宜しくお願いいたします。

                                      文責:マネージャー・漕手・広報一年 谷村

 

 p.s.前回の僕の記事でど忘れしていた一人称だが、このブログで再三使用しているように「僕」であった。…初笑いも兼ねて、どうか盛大に笑ってください。