新刊『三つの祈り』発行 | ヌース出版のブログ

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 本日、新刊『三つの祈り』を発行いたしました。

 本書は、歴史の狭間に埋もれた「祈り」の真実を掘り起こし、信仰の在り方を問い直す至高の歴史フィクションです。異なる時代と舞台で繰り広げられる独立した三篇の物語ですが、根底には他者のために生きるという「命の使い道」を問う壮大な叙事詩です。

 「布施」では、春の彼岸、霙(みぞれ)まじりの寒波の中で托鉢を行う僧侶と、死の間際にありながら自らの最後の一枚の布を捧げた女性との交流が描かれます。物質的な貧困の極みにあっても、精神的な充足の中で旅立つ女性の姿は、現代の私たちが忘れてしまった「豊かさ」の正体を突きつけます。

 「殉死」では、キリスト教が果たしてきた二千年の歴史を揺るがしかねない、驚愕の新解釈が提示されます。歴史上、最も卑劣な裏切り者とされるイスカリオテのユダの正体は、誰よりも師を愛し、その教えを完成させるために、あえて泥をかぶった最高の弟子だったのかもしれない。発見されたユダとその弟の手記は、全く異なる真実を告げていました。ユダはイエス(ラビ)の最も忠実な理解者であり、イエス自身の指示によってその役割を引き受けたのではないか。21世紀に生きる子孫の視点を交え、宗教史の深淵に迫るスリリングなドラマが展開します。それはあたかも、フィクションを装って真実を明らかにしたいというイエスの思念が著者に宿ったかのような「圧倒的なリアリティ」をもって迫ってきます。

 「山に在す(おわす)」では、奈良・飛鳥時代を舞台に、修験道の開祖とされる役小角(えんのおづぬ)と、その弟子となった前鬼・後鬼の姿を描きます。時の権力による不当な追求を逃れ、大峰山の険しい自然の中で「万物に神が宿る」という真理に到達する過程は、環境破壊が進む現代において極めて重要なメッセージを放っています。

 著者の自然科学者としての客観的な視点と作家としての情感豊かな描写が融合し、死生観や価値観を根底から揺さぶる、読者の人生に寄り添う宝物のような一冊になるでしょう。

 

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