2020年6月11日に新刊が販売開始となりました。
『「裏日本」文化論
ー環日本海の文化・信仰・自然ー』<ヌース学術ブックス>
(唐澤 太輔 著)
本体価格1,800円
A5判
189頁
ISBN978-4-902462-25-8
(内容紹介)
「裏日本」文化という日本文化の潜在部分を掘り起こし、日本と対岸諸国とに見られる文化や信仰の密接なつながりと、日本における「表」「裏」の逆転構造、そして古来連綿と受け継がれてきた日本人の精神あるいは豊かな日本文化の広がりを明らかにする。
(著者紹介)
唐澤 太輔(からさわ たいすけ)
1978年神戸市生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。早稲田大学大学院社会科学研究科博士後期課程修了。博士〔学術〕。早稲田大学社会科学総合学術院助手および助教、その後、龍谷大学世界仏教文化研究センター博士研究員などを経て現在、秋田公立美術大学大学院複合芸術研究科ならびに美術学部アーツ&ルーツ専攻准教授。専門は、哲学、比較思想、南方熊楠の研究。著書に『南方熊楠の見た夢―パサージュに立つ者―』(勉誠出版2014年、第13回湯浅泰雄著作賞)、『生命倫理再考―南方熊楠と共に―』(ヌース出版2015年)、『南方熊楠―日本人の可能性の極限―』(中公新書2015年)など。
(目次)
第1回 序
第2回 「裏」という言葉―含意される根本原理―
第3回 「裏日本」という語の始まり
第4回 近代化・欧米化と「裏日本」
第5回 「裏日本」で活躍した廻船
第6回 中原としての出雲
第7回 韓神信仰①―その概要とグロという祭り―
第8回 韓神信仰②―泰澄大師と白山―
第9回 ナーガ信仰―死と再生の象徴としての蛇―
第10回 十一面観音と湖北地方
第11回 十一面観音の起源―すべてに行き渡るもの―
第12回 巨木柱列址①
―「裏日本」の巨木信仰(寺地遺跡・チカモリ遺跡・真脇遺跡)
第13回 巨木柱列址②―生と死(桜町遺跡・三内丸山遺跡)―
第14回 環状列石①―大湯環状列石―
第15回 環状列石②
―メンヒル:天へ伸びる日時計あるいは地へ突き刺さる陰陽石―
第16回 自然信仰から神話へ―産霊という概念―
第17回 天之御中主神に見る中空構造
第18回 黄泉比良坂①―誘発という事柄―
第19回 黄泉比良坂②―夢との関連から―
第20回 スサノオノミコト①―宇気比:天の審判―
第21回 スサノオノミコト②―天の岩戸伝説:太陽の薨去―
第22回 スサノオノミコト③―天津罪と国津罪―
第23回 スサノオノミコト④
―牛頭をめぐって:「殺牛儀礼」序章―
第24回 スサノオノミコト⑤
―ヤマタノオロチ伝説が意味する事柄―
第25回 ヤマタノオロチと越国
―越人とのかかわりを視野に入れながら―
第26回 越国と龍
第27回 ヌナカワヒメ伝説①―碧い宝石とカワセミ―
第28回 ヌナカワヒメ伝説②―翡翠と蛇―
第29回 翡翠に込めた願い
第30回 秦氏とは―どこからやって来たのか―
第31回 秦氏の分布とルート、本拠地としての太秦
第32回 秦氏と養蚕
第33回 青谷上寺地遺跡―残された脳―
第34回 養蚕信仰―瞽女の果たした役割―
第35回 馬娘婚姻譚―飛び越えられる種の壁―
第36回 オシラサマと白山姫命
第37回 オシラ遊び
第38回 菊理媛神は何をしたのか
第39回 山の女神
第40回 女人禁制
第41回 白山信仰①―その概要―
第42回 白山信仰②
―朝鮮半島とのかかわり:白頭山(太白山)との比較―
第43回 白山信仰③
―被差別部落とのかかわり:聖と賤の顛倒―
第44回 白山信仰④―弾左衛門―
第45回 白山信仰⑤―三つの系統―
第46回 殺牛儀礼①―「通路」を開く神聖獣―
第47回 殺牛儀礼②―牛頭と名のつく場所―
第48回 殺牛儀礼③―禁止令―
第49回 殺牛儀礼④ーまつろわぬ勢力―
第50回 鶏の神聖視①―食さない風習―
第51回 鶏の神聖視②―鳥遊―
第52回 鶏の神聖視③―八郎太郎伝説と鶏卵塚―
第53回 事代命主命の謎―天逆手とは何か―
第54回 隠岐相撲―勝ちを譲るということ―
第55回 おんぼら
第56回 ばんじまして〉
第57回 「裏日本」の夕暮れ時-すべてを包摂する「刹那」-
第58回 「裏日本」の風-浸透する根本的な力そのもの-
第59回 「裏日本」の海-日本人の心の根っこ-
第60回 結
引用・参照文献一覧
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