哲学カフェ「抽象とは何か」 | ヌース出版のブログ

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『ロゴスドン』Webの連載「哲学カフェ」を更新しました。

 

抽象とは現象のカオスの海を航海するための海図である

 山下公生(東京都目黒区)


 抽象の対義語は具象である。具象とは五感で捕らえることの出来る現実に起きている事象のことであり、自然界における事象の集合体である森羅万象は自然現象、社会における人間関係の事象の集合体は社会現象であり、その総合が現象である。現象の総体は世界であり、現象認識の根源は五感を媒体とした個々の経験則の集合体であるため、世界は不規則なカオスの難解な存在である。そこで、世界の解明方法として考案されたのが抽象という洞察概念である。ある意味では、物事の本質を探ろうとする哲学の原点に属するもので、プラトンの「イデア」の概念と近似性がある。東洋哲学で言えば、禅の公案である。公案とは多面的で複雑なこの世の在りようの本質を象徴的に、かつ端的に写す手鏡である。抽象は、あくまでも世界の現象から抽出された共有因子の普遍要素集合体であり、空想、幻想、妄想などとは全く異なるものであり、それらと混同してはならず、公案の「莫妄想」がそれを的確に顕示している。

 

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