約束は必要
約束は必要
例えば、能楽堂で能を見る際に守るべき約束がある。それは、秋葉のドンキにある劇場も何らかの約束があるのと、たぶん同一。
能楽堂に関して言えば、開演前にアナウンスがされるように『携帯をマナーモード、あるいは電源を切る。』簡単な事だが、意外と約束が果たされていない。
ゆえに、能のクライマックスや語りの場面で鳴り響く携帯音、その状況は観客の一人として如何ともし難い。
私は能楽撮影をさせて頂いている立場から、カメラのレリーズ音が周囲に迷惑をかけていないか、邪魔になってはいないのか…かなり神経を使う。逆に言えば、見所(けんじょ、能の客席)で、人が発する音(咳、くしゃみ、布ずれ音など)は許容されるべき、と思う。
別に能を見る行為とは、座禅を組んでいるわけでもない。
しかし、である。
やはり携帯のアラーム、呼び出し音は演劇空間の邪魔なのだ。鳴り出した瞬間に持ち主が、携帯を止めようとしてバタバタする動きが輪をかける。
先日も静謐な時間が支配する能である最中に、鳴り響くアラームがあった。持ち主の方は何とか止めようとするが、鞄の奥に入ってしまったのだろう。慌てる程に見つからず。音は高まるばかり。
ついに、その方は席は立ち上がり入り口へ走り出した。
焦っているためか、足がもつれて通路に転倒。
こうなると音だけの騒ぎではなくなる。場合によっては大怪我となり、客席に救急隊員を呼ぶ最悪の事態にもなりかねない。
まずは上演前に携帯の電源を切る。万が一、切り忘れて鳴り出したとしても慌てないで、速やかに電源を切る。あるいは退出する。
ひとつの時間を共有する意識があれば、防げる『事故』なのだ。
と…私は約束を果たすべく、これより巡礼に旅立つ。
では…。


