[資料] 平成13年3月
公共工事コスト縮減対策に関する新行動計画2001
具体的施策一覧表
<具体策欄の凡例> ◎:新規 ○:継続 ●:平成12年度以降の取り組みはないが、コスト縮減計上対象 |
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<施策へのリンク>
(1)工事コストの低減
1)工事の計画・設計等の見直し
①計画手法の見直し ②技術基準等の見直し ③設計方法の見直し ④技術開発の推進
⑤積算の合理化
2)工事発注の効率化等
⑥公共工事の平準化 ⑦適切な発注ロットの設定 ⑧入札・契約制度の検討
⑨諸手続の電子化等
3)工事構成要素のコスト縮減
⑩資料の生産・流通の合理化、効率化 ⑪資材調達の諸環境の整備 ⑫優良な労働力の確保
⑬建設機械の有効利用
4)工事実施段階での合理化・規制改革等
⑭労働安全対策 ⑮交通安全対策 ⑯環境対策 ⑰建設副産物対策 ⑱埋蔵文化財調査
⑲消防基準、建築基準等
(3)ライフサイクルコストの低減(施設の品質の向上)
Ⅲ①施設の耐久性の向上(長寿命化)
Ⅲ②施設の省資源・省エネルギー化(運用、維持管理費の低減)
Ⅲ③環境と調和した施設への転換
(4)工事における社会的コストの低減
Ⅳ①工事におけるリサイクルの推進
Ⅳ②工事における環境改善
Ⅳ③工事中の交通渋滞対策
Ⅳ④工事中の安全対策
(5)工事の効率性向上による長期的コストの低減
Ⅴ①工事における規制改革
Ⅴ②工事情報の電子化
Ⅴ③工事における新技術の活用
施 策 名 |
具 体 策 |
施 策 の 内 容 |
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④技術開発の推進 |
○民間が行う技術開発に対する支援の充実 ○新技術の情報交換体制の整備 ○新技術を活用、普及するためのシステムの充実 ○各省連携等による技術開発の促進 ◎護岸の材料、工法の新技術の活用 ◎揚・排水機場のポンプ設備の新技術の活用 ○高圧薄層脱水システムの活用 ○ダム合理化施工法・プレキャスト化の推進 ○ダム材料の使用範囲の拡大 ○CSG工法の導入 ○スーパー暗渠砂防堰堤の施工 ○集水ボーリングの削孔径の小断面化 ○NATM工法の採用 ○継手改良型鋼管杭 ○大間隔法枠工の採用 ○新素材を活用したアンカー工法の採用 ○鉄筋挿入工法の採用 ○複合補強土工法の採用 ○リングネット工法の採用 ○切土工における機械化施工 ○雪崩予防柵の杭基礎型垂直式予防柵の開発 ○消波機能が高く、施工性に優れたリーフの構造開発 ◎簡易型小規模排水設備の開発
◎高耐圧ポリエチレン管を用いた柔構造樋門の遮水壁の開発 ◎河川トンネルにおける新技術の活用 ○トンネル施工における全断面掘削工法の活用 ○TBM先進拡幅工法による掘削の合理化 ○路床安定処理の採用 ○盛土の品質管理の簡素化 ○道路事業における異形断面シールドの開発 ○道路事業におけるシールドトンネルの長距離施工 ○コンクリート舗装自動連続化工法
○プレキャスト擁壁の使用 ◎舗装施工の合理化 ○低コスト型下水道施設の開発 ○推進工事の長距離施工 ○下水道工事におけるシールド工事の長距離施工 ○植栽や園路舗装等における新技術等の活用の推進 ○営繕における民間の技術開発に関する支援 ○営繕における各省連携による新技術・新工法の活用の促進 ○鉄道技術推進センター等を中心とした技術的普及等の推進 ○港湾技研等による民間で対応できない分野の技術開発を推進 ○民間の行う技術開発に係る各種支援のための環境整備 ○民間技術開発成果を試験的に活用する制度の充実 ○省庁間の技術開発情報の交換体制強化 ○技術開発成果のデータベース化、公表等の推進 ○民間の行う技術開発に係るより強いインセンティブ付与方法について検討 ○新たなシステムによる民間技術の活用と評価 ○個別の建設条件に応じたコスト縮減のための技術開発推進 ○民間の技術開発成果を評価し事業に活用する ○維持管理技術体系の検討 ○民間技術について積極的に試験利用、評価し、有効技術を普及
◎個別の建設条件に応じたコスト縮減のための技術開発推進 ○省電力型機器、灯浮標、マイクロ波標識の低コスト化に係る開発 ○自然エネルギーを利用した新しい発電装置の開発 |
・民間が行うコスト縮減に資する技術の研究開発に対して、官民の共同研究等により支援の充実を図る。 ・各省連携テーマ等について、関係省庁からなる連絡会議を設置するなど、情報交換を図りながら推進する。 ・省力化、コスト縮減に資する技術について評価するシステムの検討を行い、その活用・普及を図る。 ・コスト縮減に資すると考えられる情報化、電子化、検査、測量等の技術や新素材の開発等について、各省の連携を図るため、平成9年度に関係省庁からなる連絡会議を設置し、その結果に基づき、各省連携による技術開発を遂次実施する。 ・現行のコンクリート張りブロックによる低水護岸及び異形ブロックによる根固工について、施工性、経済性、環境面から使用材料、施工方法を見直す。 ・揚・排水機場は土木、建築施設と機械設備からなるが、機器設備や土木構造の縮小化、簡素化を進めるほか、近年開発された新技術を取り入れ、揚排水機場のコンパクト化、コスト縮減を図る。 ・従来の脱水システムを改良し、さらに小型化(船舶に搭載可能)するための技術的検討・現地試験を行う。 ・ダム本体工事において、堤体内構造物のプレキャスト化、上下流法面の型枠の省力化等を行うことにより、ダム工事の合理化施工を推進する。 ・コンクリートダムにおけるコンクリート用骨材、フィルダムにおける堤体材料として利用している岩石について利用する範囲を拡大して歩留まりを向上させることにより廃棄岩の減少、原石山掘削量の減少等、資源の有効利用を図る。 ・ダム現場において、河床砂礫等の現地発生材にセメントを添加混合して強度増加を図るCSG工法について、貯砂ダムや仮設工事等に採用し、工期の短縮などを併せて図る。 ・中小洪水時等における土砂の流れを妨げずかつ、大規模な土砂流出時にはより適切に土砂をコントロールするスーパー暗渠砂防堰堤の整備を推進し、良好な渓流環境の保全とともに、暗渠部の使用コンクリート量を節約し、魚道の設置を不要とすることによりコスト縮減を図る。 ・集水ボーリングの保孔管の継手に従来使われているソケット式継手を、ネジ式等の外径が大きくならない方式に変更し、継手の外径が小さくなった分だけ削孔径を小断面化することによりコスト縮減を図る。 ・道路・下水道等で使用されているNATM工法を地滑り対策においても使用。引き続き現地で試験施工を行う。 ・溶接を排除することにより、接続時間を短縮しコスト縮減を計る。引き続き現地で試験施工を行う。 ・従来の法枠工の枠間隔を安全性を確保しながら拡大することにより、工費の縮減を図る。 ・従来のアンカーに変えて、軽量で耐久性に優れた新素材を使用することにより、工費の縮減を図る。 ・従来のコンクリート擁壁に変えて、鉄筋挿入工法を使用することにより工費の縮減を図る。技術検討は、平成8年度から行う。 ・従来の法枠工にかわり、表層土の浅層崩壊を防止するための鉄筋挿入補強土工法およびその下部層の崩壊を防止するアンカー工・ロックボルト工法を組み合わせて施工することにより、コスト縮減を図る。 ・従来落石対策として施工されてきた擁壁工にかわり、ネット工による対策を行うことで、コンクリート量が減少することからコスト縮減が可能となった。 ・現在、人力により施工している切土工を、機械化施工することにより工費の縮減を図る。 ・杭基礎型垂直式予防柵については、雪圧等が柵に対する影響が明確でないため、設計基準がないので、一般には用いられないが、建設コストから見ると、杭基礎型垂直式予防柵が経済的となる場合がある。雪圧等が柵に対して影響するメカニズムを解明し実用化に向けて基準類の策定を図る。 ・人工リーフは、昭和60年代に開発され、平成4年に標準的な人工リーフの設計手法の統一を図ってきたところであるが、断面構成によって消波機能が変化することが分かっており、消波機能の優れた人工リーフを開発し、工事費の縮減を図る。 ・比較的小規模な排水施設におけるポンプの構造検討を行い、排水機場の用地、建設費などを低減する。 ・従来の高耐圧ポリエチレン管の可とう継手及び遮水壁は、特殊な構造になるため、その価格が高くなり、不経済になる場合がある。コンクリートなどの一般資材を活用することによって、コスト縮減を図ることができる。 ・河川トンネルにおける新技術の活用及び試験施工を実施する。 ・地山の地質が良好なトンネルについては、施工技術の向上により全断面掘削が可能となったことから、その積極的な活用を図る。 ・TBM(トンネルボーリングマシン)を用いて導坑を掘削し、導坑から地山改良を行うことにより、拡幅掘削をスピードアップし、工費の節減と工程の短縮を図る。 ・比較的地盤の支持力低い路床について石灰安定処理等を行うことにより、支持力を高め舗装厚を薄くする。 ・盛土の品質管理(締固め密度管理)について、人力に代わりRI計器を活用することにより簡素化を図る。 ・各施設の必要断面に応じた断面形状を有する新たなシールドトンネル技術の開発を行う。 ・各施設の必要断面に応じた断面形状を有する新たなシールドトンネル技術の開発を行う。 ・コンクリート構造物の連続施工工法の改良を進め、コンクリート舗装工事への導入を図る。 ・従来、重力式が一般的であった比較的高い(3m以上)擁壁に対しても、製品化が進む大型のプレキャストL型擁壁を用いるよう地建の標準仕様を見直した。 ・舗装の2層舗設に際し、一括施工型のフィニッシャーの導入により、施工合理化を図る。 ・従来の処理施設に比べ、建設費・維持管理費が低コストとなる処理方式(高濃度活性汚泥法、窒素・リン除去法他)及び設備(小規模脱水機他)の開発を推進する。また、施設の機能向上を低コストで行える技術の開発を推進する。 ・主に発進・到達の立杭数の減少のため、推進工法の長距離化などを中心として、コスト縮減方法を検討する。 ・シールド機械のカッタビットの耐久性並びに交換方式の改良等により長距離化を図る。 ・小径木・苗木等(コンテナ栽培樹木を含む)による植栽や園路舗装等における新技術の活用を進める。 ・官学民共同研究体制の充実を図る。 ・各省間で新技術・新工法の情報交換を行い、共有化したデータの活用を図る。 ・鉄道技術推進センター等からの情報提供を継続実施する。 ・大規模実験施設等を活用しての技術開発を港湾技術研究所で実施するとともに、地方整備局においても各種技術開発を推進する。 ・各種新技術活用パイロット工事をはじめとして各種支援制度を積極的に実施する。 ・新技術活用パイロット工事等を実施する。 ・建設産業技術戦略検討会に参加し、方策を提言 ・民間技術情報データベースの充実を図る。 ・開発者利益を契約に還元する制度の導入を検討する。 ・新たな審査・証明事業を設立し、広範な新技術の情報収集と積極的な活用を図ることにより、優良な民間技術の普及を推進する。 ・水中施工技術の開発を行う。 ・ケーソン回航支援装置の開発を行う。 ・新工法、新技術の導入を検討する。 ・民間技術の導入システムを検討する。 ・省電力型航空灯器の開発を推進する。 ・維持管理システムの技術開発を検討する。 ・航空情報処理システムの汎用ソフトウェアを活用する。 ・供用中空港の補修・改良工事の技術開発の検討資料とすべく舗装構造、施工性等の課題について実績調査及び関係機関と協議の上整理する。 ・新技術活用パイロットモデル工事等を実施する。 ・新技術導入推進農業農村整備事業を実施する。 ・積雪寒冷など建設条件に応じたコスト縮減のための技術開発を推進する。 ・省電力型灯器の開発を行う。 ・自然エネルギーを利用した発電装置の実用化に向けて検討を行う。 |
○土木工事積算基準等の統一、公開等 ◎共通仕様書及び施工管理基準、検査基準等の整備 ○公園工事の積算における業務体系の統一化等について見直し ◎公共住宅建設工事共通仕様書の見直し ○下水道工事の積算体系の統一、公開
◎河川・道路関係機械設備工事の積算合理化、統一、公開 ○営繕積算基準等の統一、公開 ◎改修工事積算基準の整備公開 ◎建築工事内訳書標準書式等の整備公開 ○積算数量の公開についてモデル工事を実施 ○積算の効率化 ○営繕積算の効率化 ○営繕積算における市場単価方式の拡大 ○市場単価方式への移行の促進及び積算電算システムの機能充実検討 ○公共住宅積算における市場施工単価の反映 ◎積算に使用する数量データや図面等の電子化を推進 ○新技術・新工法等の積算基準 |
・積算のより一層の妥当性確保のため、関係省庁及び関係公団積算基準の整合。(「公共土木工事積算連絡調整会議」H8.6設置) ・施工実態の変化への対応、積算業務の合理化の観点で積算基準類を改定する。 ・発注者の要求事項の明確化、監督・検査の合理化、設計基準や施工実態の変化への対応の観点で仕様及び施工(品質・出来形等)管理基準、検査基準等の内容を改訂する。 ・目的物の性能確認のため、非破壊検査の導入など検査技術の高度化を進める。 ・積算の合理化を図るため、積算業務の体系化、統一化等の見直しを進める。 ・公共住宅建設工事共通仕様書について新材料・新工法に対応した内容とすべく改定する。 ・積算の合理化を図るため、新しい積算体系を整備・公開し、地方公共団体への普及を図る。 ・河川ポンプ・ゲート、トンネル換気、道路排水等機械設備工事の積算合理化、簡素化を進める他、関係省庁、公団等との連携、統一化を図る。 ・公共建築工事積算基準等の拡充、整備及び公開を図る。 ・建築工事における改修工事積算基準の整備及び公開を図る。 ・建築工事における工事内訳書の標準書式等の整備及び公開を図る。 ・公共建築工事の積算数量の公開について、モデル工事を実施する。 ・積算の電算システムの機能の改良及び新土木積算システムの公団・地方公共団体への普及を図る。 ・営繕積算システムの機能充実及び利用拡大を図る。 ・建築工事における市場単価方式への移行工種の検討及び試行を行う。 ・市場単価方式への移行促進のため施行調査を踏まえ順次移行、実施及び積算の電算システムの機能改良を検討する。 ・公営住宅等の積算において、市場施工単価を適宜採用する。 ・積算用の数量データ、図面等の標準化、電子納品化を拡大する。 ・コスト縮減に向けた技術開発、施工方法の変化等に対応して積算基準を改定する。(鋼橋積算基準) ・「新技術活用促進システム」において、新技術活用に資するべく、歩掛等の整備を推進する。 |