高校の教室で眠りながら、光の温かさを感じていた。
それはまぶしく視界をくらます光ではなく、私の心の中にのみ宿っているかのように。
眠っている私に、
誰かが柔らかい毛布をかける。
眠っていた夢の中で、何か夢は幸せな夢になった。
曖昧な意識の中で私は気付く。
眠っていたのだと。
私に毛布をかけてくれた人の顔を見ようと、起きて周囲を見渡した。
誰もいない。
夢の中で私に笑ってくれていた人は、亡くなっていたのだと知る。
胸に宿っていた光は、ろうそくに息をかけられたかのように、ふっと消える。
起きたばかりの頭で今がどこなのかを考える。
私に向けられていた笑顔は、もう、母の笑顔以外は実在していないのだと知る。
なん…さい…?
学生時代、一緒に笑った、あの友人は?
家庭を築き、縁がなくなって久しいのだった。
まるで光が地球に到達するまでの時間の隔たりのように、断絶された何か。
光が向かう方向も逆で、私の胸の中から外へどんどん逃げていく。
意識がハッキリしていくにつれ、夢の中にいた人は現実世界で一人ずつ消えていく。