※2008年
上京した。
食い物を買う金がない。
日払いバイトを探した。
…
「ヤマト運輸短期日払いバイト」。
一日10時間働いて、その日にすぐ一万円もらえる。
飛びついた。
クール宅急便だった。
10キロ20キロある冷凍の業務用の巨大な肉などが、ベルトコンベアで高速で流れてくる。
無茶な速度だ。
その荷物をベルトコンベアから取って、指定されたBOXの前に運ぶまでに、次の荷物が通り過ぎてしまう。
汗だくになって機械に隷属してる。
滑稽だった。
私以外の労働者が、叫び声を上げた。
機械のからの無茶な命令に反抗するかのように。
滑稽だった。
所詮、賃金奴隷。
替え玉はいくらでもある。
ビリヤードの玉みたいなもんだ。
プレイヤーの手の中で転がされてる。
主体性は与えられない。
くそ資本主義が。
食い物欲しさに奴隷になって、使い捨てられる。
奴隷同士で「奴隷のポジション」を躍起になって奪い合って、食いっぱぐれて、のたれ死ぬ。
くそみたいな世界だ。
…
所詮は全部プレイヤーの都合。
「短期」が終了し、「替え玉」によって私は台の上から突き落とされた。
食えねえ。
今度はモンテローザだ。
いくらでも働かせてくれた。
夕方5時から翌朝5時まで。
単に「食い物を得るため」に。
食って、寝て、仕事の時間だ。
食って寝る以外は、全て「賃金奴隷」だ。
…
生きる意味?
なかった。
今もない。
…
けれども、癌になった父は、生きたくて生きたくて必死だった。
私は死にたかった。
そんなに生きたい人がいるのなら、私のこの命、その人のために使いたい。
過労死しようとも。
「生きたい」思いを持った人と向き合って老いて死んでいきたい。
私が医学部再受験を決意した理由。