2024年6月18日、トヨタ自動車は株主総会を開会した。SNSでは豊田会長への「モータースポーツは道楽じゃないのか」という質問が話題になっている。しかし豊田会長がどのようにその質問に答えたのかはなかなか見えてこない。ベストカーWebでは当日の様子をお届けしたい。

■「認証不正報道でショックを受けた。内部統制が効いていない」
トヨタ自動車の株主総会。タイミングからしても株主からは認証不正報道の質問も多くあり、佐藤恒治社長を筆頭にお詫びと経緯説明をするシーンもあった。ただやはり株主総会としてはその4兆円超の業績に触れるシーンも多くあり、さらにマルチパスウェイ戦略など多岐にわたった。そのなかで多くのクルマ好きが「えぇっ?」となる株主からの質問があった。

「認証不正報道でショックを受けて。内部統制が効いていなかったり、ガバナンス不全ではないか。背景にあるのは、モータースポーツはじめ様々な取り組みに時間を使い過ぎではないか。モータースポーツの取り組みが会長の道楽になっているのではないか」。
トヨタはWEC、WRCというふたつの世界選手権への参戦、国内ではスーパーGTやスーパーフォーミュラなど国産メーカーとしてはとてつもないカテゴリーへの参戦を果たしている。豊田会長自身もスーパー耐久などにドライバーとして参戦しているし(※厳密にはモリゾウ名義でルーキーレーシングからの参戦)、きっと株主から見ればその様子が楽しんで遊んでいるようにしか見えないのだろう。

■「それを院政というのであれば、院政をやる」
自動車メディアからすればトヨタのクルマは豊田会長が社長に就任した当初からかなり変わった。GR86、GRヤリスなどスポーツカーばかり取り沙汰されるのだが、実際にはカローラひとつとってもとんでもない進化を遂げた。しっかりとした足回りでありながらしっかりと伸び縮みするダンパーなど、これは走りが分かる責任者がいなければ成り立たない。その人物こそがマスタードライバーである豊田会長だったわけで、そのセンサーを磨き上げるために始まったモータースポーツ参戦が道楽と言われるのはちょっと気の毒にも思える……。

 豊田会長は株主からの質問に対し2010年のリコール問題から過去、現在、未来まで責任を負うことを決めてきたと発言し、ガバナンスが効いていないという質問にこう返している。
「私が考えるガバナンスは、支配や管理ではなく、1人1人が自ら考え、動ける現場をつくることだと思う。私の存在や行動によって、院政や道楽と言われてしまう。院政を調べると、昔、後三条天皇が摂関政治から脱却するために、早く引退して政治を行う事がきっかけになったとある。院政とは老害というネガティブなイメージはあるが、本来の意味は、新しい時代を切り拓くもの。執行メンバーに言っているのは、責任を取るのは私、決めて進めるのは執行メンバー。いつでも相談に乗ると言っている。私が執行メンバーが決めたことを後から修正したりすることはない。私は前工程として、相談に乗ることにより、私の失敗体験を糧にし、若い執行メンバーに思い切ってチャレンジしてもらいたい。それを院政というのであれば、院政をやる」。

モータースポーツが道楽と言われようが、それが会社の実益にかなっているのであれば豊田会長は今後も続けていくことになるだろう。まして今やカーボンニュートラルを求められる時代。ハイブリッド、BEVなどさまざまなパワーソースでの競技がおこなれているが、水素エンジンでモータースポーツを戦っている自動車メーカーは世界を探せどトヨタだけだ。さらにそのドライバーのひとりがトヨタの会長というのだから、それを「道楽」って言葉で括るのはちょいと寂しいじゃないか。

 

「モータースポーツは会長の道楽じゃないのか?」 トヨタ株主総会でまさかの詰問……豊田章男会長「それを院政というのであれば、院政をやる」の真意とは(ベストカーWeb) - Yahoo!ニュース

 

モータースポーツが会長の道楽なんて何とも了見の狭いことを言うもので日本人は本当にものの見方が狭いというか思考に柔軟性がない。型式認定不正はよろしくはないが、やらないことをやったようにしたり結果がダメだったのをいいと報告したわけではない、・・だろう。規定や試験のやり方の問題でその辺はお上との交渉の余地があるだろう。そしてモータースポーツだが、まず第一は、欧米ではモータースポーツの宣伝効果と言うのは非常に大きい。日本ではモータースポーツはスポーツとは認識されていない面があるが、時速300キロ以上で走る車を操って勝負するのは恐るべき運動神経と体力が必要な純然たるスポーツである。普通の人がF1やLMhなどのレーシングカーに乗ったら強力なGの影響でまともに前を向いていられないだろう。そんな状況で時速300キロ以上の車をセンチ単位で適切に操縦することがどれほどのことか考えてみると良い。欧米では一流のレーサーは英雄である。第二はモータースポーツを介して開発された技術が一般の市販車にフィードバックされるということである。レーシングカーには様々な先端技術が使われてる。そうした技術がそのままではなくてもいろいろ形を変えて一般の市販車にフィードバックされて生きてくる。今の日本でモータースポーツの世界で欧米のメーカーに伍してやっていけるのはトヨタしかないだろう。見てみるといい。欧米の一流自動車メーカーは挙ってモータースポーツに参戦している。先日行われたル・マン24時間耐久レースにもポルシェ、フェラーリ、BMW、プジョー、ランボルギーニ、キャデラックなど一流の自動車会社が参戦している。それは企業として価値があるからでそれぞれの会社が道楽でやっているわけではない。僕もトヨタの株主だが、豊田章夫会長のやり方考え方には深く賛同している。ぜひトヨタが世界一の自動車会社として存続できるように雑音は気にせずに精一杯やってもらいたい。先日のル・マン24時間耐久レース、14秒にテールトゥウィンを逃したのは残念だった。来年はぜひ勝ってほしい、・・(^_^)v。

 

 

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