日本の次世代主力ロケット「H3」2号機が17日、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられる。H3は昨年3月に初号機の打ち上げに失敗しており、日本の宇宙開発技術への信頼が大きく揺らいだと指摘された。そのため今回は失敗の原因を徹底究明し、考えられる対策を全て実施。背水の陣で約1年前の失敗の雪辱を目指す。

H3は、2040(令和22)年に現在の約3倍に当たる150兆円に急拡大すると予測される宇宙ビジネス市場を、日本がリードするために開発されたロケットだ。政府系衛星の打ち上げや国主導の宇宙開発の利用にとどまらず、世界中から衛星打ち上げの受注を獲得するため、低価格で迅速な打ち上げを柔軟な体制で実現するなど、民間企業の使いやすさを重視している。だが、日本の将来への夢と希望を乗せて打ち上げられた初号機は、第1段、第2段ロケットの分離後、第2段のエンジンが着火せず安全な飛行が不可能に。地上から指令破壊信号で爆破され、打ち上げは失敗した。

ここ数年、日本の宇宙開発はH3初号機以外にも失敗が相次いでいた。一昨年10月に、小型固体燃料ロケット「イプシロン」6号機が打ち上げに失敗し、同11月には日本初の月面着陸を目指した超小型探査機「オモテナシ」が通信途絶で計画を断念。昨年6月には小型固体燃料ロケット「イプシロンS」の第2段エンジンが、燃焼試験中に爆発事故を起こしている。それだけに、日本の次世代主力ロケットの打ち上げ失敗は手痛く、日本の宇宙開発技術への信頼を大きく揺るがせた。

そのため、宇宙航空研究開発機構(JAXA)はH3初号機の失敗原因の究明を急ぎ、直接の原因はエンジン点火装置のショートや過電流による機体制御装置の損傷だったと解明。損傷に至る3つのシナリオを想定し、全シナリオを解決できる対策を施した。さらに、部品や装置の検査や安全性の評価の体制も見直して強化した。その結果、2号機の第2段エンジンの点火装置は改良型に変更された。この装置は、昨年9月以降に打ち上げられたH2Aロケット47、48号機にも搭載され、いずれも打ち上げに成功している。

H3プロジェクトの責任者であるJAXAの岡田匡史プロジェクトマネージャは、「初号機は失敗してしまったが、H3を共同開発している三菱重工業と二人三脚で原因究明を進めた。絞り込んだ3つのシナリオで、失敗につながる可能性がある事象全てに対策が取れたと判断している。2号機をぜひ成功させたい」と話している。(伊藤壽一郎)

 

1年前の雪辱なるか 打ち上げ迫るH3ロケット2号機 背水の陣、日本の宇宙開発(産経新聞) - Yahoo!ニュース

 

マスコミは失敗するとああだこうだと批判するが、ロケットなどと言うものはほとんどすべての打ち上げが試作のようなものではある。量産したとは言ってもH2Aでさえ生産数は50基以下である。最終的に50基で打ち上げは終了する。何千何万と量産する自動車などとは基本的に異なる。失敗しなければそれに越したことはないが、失敗の原因を究明して改良克服してこそ進歩がある。三菱のスペースジェットは開発中止になってしまって航空機と言うすそ野の広い先端技術開発が一つ失われてしまったが、宇宙開発は順調に推移している。ぜひこのペースで研究開発を継続して日本を支える先端技術産業の一つになってほしい。頑張れ、JAXA、頑張れ、三菱重工、・・(^_^)v。

 

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