太平洋戦争開戦前の日本の工業生産力は米国の1/10以下で内容も繊維や木工業など軽工業が中心だった。そんな貧弱な工業生産力で航空機に関しては海軍と陸軍がそれぞれの視点で独自の機体開発を企業に指示して設計生産させていた。海軍の零戦と陸軍の一式戦はどちらも長距離侵攻戦闘機で似たような用途の機体なので海軍の零戦を陸軍も使えば用が足りただろう。武装や防弾など仕様の違いはあるが、その辺りは改修などで調整可能だっただろう。また海軍の局地戦闘機雷電と陸軍の二式単戦鍾馗はどちらも要撃機で性能的にも似たようなものだったので開発に散々苦労して三菱の次期戦闘機開発の足を引っ張った雷電がなければ三菱も人的物的資源を有効活用出来ただろう。海軍は艦上戦闘機という特殊性から簡単に陸軍の戦闘機を使うというわけにはいかなかっただろうけど陸上基地で使用する要撃機なら陸軍のものでも問題はなかっただろう。また陸軍はソ連の機甲部隊に同じ機甲部隊ではなく航空機で対抗しようとした。そのために陸軍には地上襲撃機や軽爆が何種類もあるが、海軍の99式艦爆を使えば間に合ったのではないだろうか。また二式複戦などを地上攻撃に使えば搭乗員が多いわりに爆弾搭載量の少ない99式双軽などは必要なかっただろう。海軍も96式陸攻や一式陸攻などの大型双発機を艦船攻撃に使用して戦果の割には大きな被害を出したが、月光クラスの双発機に艦船攻撃をやらせた方が効果的だっただろう。大体7人も8人も搭乗している大型双発機に魚雷1本では航続距離の問題があるのだろうが、極めて不経済ではある。索敵や教導に使用するなら大型双発機も有効だろうが、大型双発機は爆弾搭載量を増やして戦術爆撃などに活用した方が効果的だっただろうが、海軍は対米艦隊決戦一本槍だったので何でもかんでも艦船雷撃をやらせようとした。4発大型飛行艇にさえ雷撃をさせようとしたほどだから念が入っている。戦争後半の機体は安定した大馬力エンジンが作れなかったので結局は戦争前半の機体で戦うしかなかった。海軍の紫電改や陸軍の四式戦などが登場したが、エンジンなどの不調で局地的な活躍をしたに止まった。ただ海軍は中島の誉エンジンに固執したが、陸軍は不調の誉エンジンや水冷のハ140に見切りをつけて出力はやや劣るが、安定している三菱の金星エンジンへの換装を進めている。海軍も彗星艦爆の水冷熱田エンジンを金星に換装しているが、戦闘機のエンジンは誉エンジンに拘っている。昭和18年に零戦52型を出した時にエンジンを金星に換装しておけば零戦ももう少しは活躍できただろう。しかし海軍は「航続距離が落ちる割には速度の向上がない」とか言ってエンジンの換装を認めなかった。零戦も度重なる改装で重量が増加していたので馬力が1.5倍になれば上昇力や馬力機動力はずいぶん向上しただろうが、残念なことをした。航空機に関しては陸軍の方が合理的だったかもしれない。いずれにしても貧弱な工業生産力や人的物的資源を陸海軍の反目や面子で浪費したことは愚かとしか言い様がない。海軍と陸軍では仕様も違うだろうし、戦術や用法も異なるから機体の共用と言ってもなかなか難しいだろうが、一から新しい機体を開発するよりは機体の改修の方が合理的かつ効果的だろう。また機体の共用ができれば武器弾薬の共用もできただろう。しかし仮にそうして人的物的資源を効率的に使ったとしても戦争に勝ったなんてことはあり得ないことではある、\(^_^)/😁🌀😱💧👀‼️😅🎃🐲。