日本の陸軍と海軍は極めて仲が悪かったそうだ。どこの国でも陸軍と海軍は仲が悪い。それは戦争に対する思考の相違が起因しているのだが、日本の場合はそれにしてもではある。装備に関しても一部に海軍陸戦隊が陸軍の戦車、装甲車、銃器などを借用していたり陸軍の高射砲開発に海軍が技術支援したりした例もあったが、基本的に陸軍と海軍は全く別のものを開発装備していた。航空機や機関銃などは陸海軍でそれぞれ別のものを試作していたし、機銃などは微妙に口径が違ったり同じ口径でも弾薬の規格が違っていてお互いに融通することができなかった。こうしたことは量産性に大きな足枷になったという。工業力の貧弱な日本が陸海軍の軋轢で生産性を阻害していたのに比べて米国は銃器や弾薬と言った大量生産品の共用化を図っていた。航空機などの大物装備はそれぞれ戦術上の要求が異なるのでなかなか難しいが、海軍の零戦と陸軍の隼はどちらも長距離援護戦闘機なので零戦を陸上戦闘機に改良すればそれで済んだだろうし、海軍の局地戦闘機は陸軍の二式単戦でも良かっただろう。武装などは陸海軍がそれぞれ選択すればいい。雷電の開発がなくなれば三菱の航空機設計陣にとっても大きな負担軽減になっただろう。三式戦は不要だろうし、海軍の紫電、紫電改と陸軍の四式戦も統一しても差し支えなかっただろう。双発爆撃機は長距離進攻を重視した海軍と反復攻撃を重視した陸軍では戦術思想が異なるのでなかなか難しいが、96式陸攻と97式重爆、一式陸攻と100式重爆、銀河と四式重爆などもやり様によっては1機種で間に合っただろう。実際には陸海軍の思想の相違や縄張り意識、競争心や面子があってなかなか難しいだろうが、工業力の貧弱な日本にとって陸海軍がそれぞれ似たような装備を別個に開発生産するということは大きな負担だっただろう。戦略も戦術も全く違う陸海軍の装備を共用化することはなかなか難しいだろうが、生産性の効率化や資源の有効活用のためにできるところはぜひそうすべきだっただろう。もっとも陸軍自体小銃弾薬や機関銃弾薬など様々なものを使用していたので規格の統一などという意識がなかったのかもしれない、😁🌀🎃😅。今の自衛隊はどうかというと戦後米軍の影響を受けて組織を作った陸自と空自は海自について「海さんは特殊ですからねえ」とか言っていた。旧海軍の伝統を受け継いだ海上自衛隊は「伝統墨守、唯我独尊」で一人我が道を行っているようだ、・・(◎_◎;)。