日本海軍は戦艦の主砲から8センチの高角砲まで大砲に関しては自主生産、英国の影響を受けているが、していた。ところが機銃となるとすべて外国製であった。7.7ミリは英国、7.92ミリはドイツ、13ミリは米国、20ミリはスイス、25ミリはフランスだった。陸軍も航空機用機銃は概ね同様で欧米製だった。陸戦用には国産機銃を使用しているが、傑作と言われる92式重機関銃や99式軽機関銃も頻繁な整備を必要としたという。日本の機関銃の欠点の一つはバネだそうだ。機関銃は発射時のガス圧を利用して遊底を後退させて排莢装填を連続的に行うが、日本の冶金技術では遊底を復座させる強度の高いバネが作れなかったそうだ。また機関銃は20世紀初頭にはほとんど完成された兵器だったが、1分間に何百発という弾丸を発射するために各部の部品が極めて正確に動かないとジャムが起こって弾丸を発射できなくなる精密機械である。そうした精密機械加工技術でも日本は遅れていたそうだ。戦後警察予備隊が創設された時に92式重機関銃を採用しようという意見があったそうだが、米国製のM1919A重機関銃が採用された。これは正解でM1919Aの方が軽量で信頼性も高く運用も容易だったという。その後継が国産の62式軽機関銃だが、これがトンでもない機関銃で部品が落っこちる、装弾不良、キャリングハンドルを持って走っていたらなんか軽いので見てみると機関部がなくなって銃身だけになっていた、引き金を離しても連射が止まらない、部品数が多くて整備点検に時間がかかるなど「62式言うこときかん銃」「キングオブバカ銃」「62式単発機関銃」「62式分隊自滅火器」など悪口雑言が止まらなかったそうだ。このような不具合の原因は軽量化のために銃身を細くしたことだそうだ。銃身を太くして再設計したらという助言があったが、製造元の日特金は受け入れなかったそうだ。日本人は何事も突き詰め過ぎるところがあるが、兵器などはある程度の冗長性も必要だろう。62式機関銃の後継となったベルギー製のMINIMIは日特金を吸収した住友重工でライセンスしたが、本家に比べて性能的に劣っていたそうだ。住友重工は機関銃のデータ改ざんで指名停止処分を受け機関銃製造から撤退している。自動小銃や機関銃は兵器の中では単純な兵器だが、やはり技術の蓄積が必要な兵器で技術を積み上げて行かないとそれなりのものは作れないのだろう。技術の蓄積のない日本にはこの先機関銃は作れないだろう。MINIMIの後継はMINIMI Mk3だそうだが、この機関銃はすべて輸入になるそうだ。

9月に思うこと

 

 

 

 

 

同じネタで投稿する

 

他の投稿ネタを確認する