日本海軍には商船改造の空母が7隻あったが、隼膺、飛膺の2隻を除いて空母としては活用されず航空機運搬艦として利用された。それは飛行甲板が160メートルほどと短く速力が21ノットと遅くて航空機の運用に支障があるからだった。ところが米軍の護衛空母などは排水量8千トン、甲板長130メートル、速力18ノットでも船団護衛や上陸支援などに航空機を運用して立派に活躍していた。日本の改造空母よりはるかに小型低速だったが、そのわけはカタパルトだった。米軍は空母に航空機を射出する油圧式のカタパルトを装備していた。そのために小型低速の護衛空母でも重装備の航空機の運用が可能だった。日本にもカタパルトはあったが、火薬によって射出するもので戦艦や巡洋艦などの大型艦艇には装備されていたが、空母には装備されなかった。火薬式のカタパルトは射出速度が速すぎて機体が損傷したり搭乗員が負傷あるいは失神してしまうことがあった。また戦争後期に登場した流星や天山などの大型機は完全装備だと正規空母でも発艦が困難でロケットアシストポッドが必要な場合もあったそうだ。日本の空母は船体を細長くして甲板の長さを稼ぐなど建造上の制約があり航空機を発艦させる際には風上に向かって全速力で航行して合成風力を得るために高速を確保しないといけなかった。しかし日本の商船改造空母は21ノット程度と低速で風上に向かって全速力で航行しても新型の航空機を発艦させることができなかった。日本海軍も火薬式や圧搾空気式のカタパルトは開発して大型艦や潜水艦に装備していたが、油圧式のカタパルトは開発できなかった。当時の日本の油圧技術は米英に大きく劣っていて油圧の作動油漏れなんてことは日常茶飯事で取り扱う者を悩ませていた。だから航空機を射出させるような高圧の油圧作動機構など作れるはずもなかった。カタパルトは戦後は機関駆動用の高圧蒸気を使用するものから最近は電磁力を利用するリニアモーター式のものが出現しているが、莫大な電力を必要とするために発電力の大きな原子力推進艦などに装備されている。もしも日本が本格的な空母を持つとしたら排水量は5万トン以上、リニアモーター式のカタパルトを装備するものになるかもしれない。技術的には可能だろうが、問題は船の発電力だろう、😁🌀🎃😅。

9月に思うこと

 

 

 

 

 

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