零式艦上戦闘機、零戦は太平洋戦争前半の最強戦闘機として有名な戦闘機である。零戦は12試艦上戦闘機として海軍から試作の指示があった。時速500キロ以上、20ミリ機銃装備、航続距離3千キロ以上、96艦戦に劣らない空戦性能と当時の最新戦闘機の性能を遥かに凌駕する要求性能に中島は試作を辞退、三菱は機体の構造を徹底的に軽量化するとともに防弾の要求がなかったことから防弾装備は一切省いて速度、重武装、高速、航続距離の要求を達成した。零戦は高速で重武装、そして長距離を飛行することができたが、機体強度が弱く高速降下に耐えられず防弾装備皆無のために撃たれ弱い戦闘機だった。開戦当初は米軍の戦備不十分と鍛えに鍛え上げた搭乗員の技量、中低空での卓越した運動性で米英軍を圧倒したが、米軍の戦備が整い新鋭機を多数戦線に投入して来るようになると防弾装備皆無で機体強度の弱い零戦の被害は増加していった。零戦も11型、21型、32型、22型と改良を重ねていったが、装備が増加して重量が増加するのにエンジンは中島の栄でパワーアップがなく米軍の新鋭戦闘機との相対的性能は徐々に低下していった。52型になると武装強化、防弾装備の追加などを実施、それまでの軽戦闘機から速度重視の重戦闘機へと性格が変わっていた。しかしエンジンは航続距離が減少することを嫌った海軍の指示で栄のままでその飛行性能は低下する一方だった。もしも52型の改修時にエンジンを中島の栄から三菱の金星に換装しておけば400馬力程度のパワーアップになるので性能的にまだ何とか米軍の新鋭戦闘機に対して対抗できたかもしれない。昭和18年後半から19年前半を金星零戦で凌いで19年後半に烈風または紫電改に引き継ぐというのが日本の国力に合った筋道だろうけど零戦の後継の烈風は開発に失敗して間に合わず海軍期待の新鋭戦闘機紫電改も後継とはなり得ず零戦は最後まで海軍の主力戦闘機として絶望的な戦いを続け、最後には特攻機として米軍の艦船に突入していった。最後の最後に五式戦のように金星エンジンに換装された零戦54型が試作されたが、その頃には日本の国力も生産能力も底をついていて量産どころではなかった。零戦のたどった道筋は日本の運命同様に精一杯背伸びして列強に追いつき一部はそれを超えたが、それが限界でその後は本格的に稼働を始めた米国の国力に圧倒された。まさに日本の国力を象徴しているような戦闘機だった、😁🌀🎃😅。