日本が太平洋戦争で米国に負けた原因はミッドウエイ海戦と言われるが、実際にはそうではない。ミッドウエイ海戦では空母4隻と航空機300機以上、そして熟練搭乗員多数を失った手痛い敗戦だったが、海上戦力ではまだ日本は優勢を保っていた。そしてその後に米豪分断作戦としてソロモン諸島方面に進攻している。真に日本が力尽きたのはガダルカナル島を巡って繰り広げられた争奪戦で始まった一大消耗戦でここで日本は艦艇25万トン、航空機7千機と多数の搭乗員を失って資源がなく底の浅い日本の工業生産力ではその損失を穴埋め出来ず、一方米国は同様の損害を被ったが、米国の巨大な生産力がフル稼働して損害を穴埋めして更にその上に莫大な戦力を積み上げた。これで日米の戦力差は決定的となり1944年以降は日本は米国に押しまくられて敗れた。要は工業生産力の差が勝敗を分けたわけで底の浅い日本の工業生産力では米国に勝つ術はなかった。「戦争はやってみなければ勝ち負けは分からない」と言う陸軍の主張に押し切られたが圧倒的な国力の差は誰が何をしようが、どうにもならない決定的な要因だった。日本は主体的に米国に勝利する方法を見いだせないまま戦争に突入して完膚なきまでに敗れ去った。