以前職場の上司が「大学なんか何の役にも立たない」と言っていた。その人は夜学に通って卒業したのだが、高等普通教育の意味が理解できなかったんだろう。そこで「それは何もしなかったからじゃないですか」と言ったらものすごく悲しそうなそして嫌な顔をした。いつも職業教育ばかり受けてきたのでそれも仕方がないのかもしれない。職業教育と言うのはある特定の目的のために行う実務教育で範囲が非常に狭く目的がはっきりしているから効果が体感しやすい。ところが高等普通教育と言うのは人の理解や判断や思考などの尺度となっているのでなかなかその効果と言うものが実感し難い。また知識をある程度蓄積しないと機能しないなどなかなか難しいところがある。しかし世の中で物事を正しく捉えて理解し、判断して決断するには人文科学、社会科学、自然科学など様々な知識は必要ではある。そうした理解や判断や決断と言った意識活動の大元になるのは普通教育で得た知識である。つまり知識と言うのは秤の目盛りのようなもの、学問と言うのはその秤の使い方を学ぶことを言う。帝国海軍の鈴木貫太郎大将が兵学校校長の井上中将に「良いか、井上君、兵学校の教育の成果は二十年後に現れる。二十年後だぞ」と言ったそうだ。その時兵学校校長の井上中将は深く頷いたという。またある海軍の偉い人が「すぐに役に立つ学問などは丁稚教育だ」とか酷いことを言ったそうだ。ひどい言い方かもしれないが、職業教育のことを的を得て表現している。日本の学校はすべて予備校化しているが、大学教育くらいは4年間腰を据えて学問に取り組めるような教育をしてほしいと思う。教育と言うものは行う側にとっても受ける側にとっても時間のかかる根気の必要な作業ではある、・・(^。^)y-.。o○。

今日のひとことブログ

 

 

 

 

 

同じネタで投稿する

 

他の投稿ネタを確認する