パトカーはカスタムされているのか?
サイレンを鳴らし、緊急走行をしているパトカーを見ると、結構いい勢いでダッシュしている。とくに高速道路で最高速度違反のクルマを追いかけているパトカーは、なかなかの加速力を発揮しているので、思わず「あれはエンジンチューンをしているのでは?」と思ってしまうこともしばしば。しかしながら、普段見かけるツートンカラーの4ドアセダン(ほぼクラウン)は、無線警ら車も交通取締用四輪車も、基本的に動力性能はノーマルのまま。警察庁の交通取締用四輪車の仕様書を見ると、
「排気量は、3,000㏄級以上であること。ただし、排気量が2,000㏄級以上3,000㏄級未満のものにあっては、最高出力150kW以上であること」
とあるだけで、要は3000cc以上、もしくは、2000cc以上で204馬力以上あればパトカーの基準はクリアできるということ。ちなみに無線警ら車の基準はもう少し緩く、
「排気量は、2,500cc級以上であること。ただし、排気量が2,000㏄級以上2,500㏄未満のものにあっては、最高出力135kW以上であること」
となっている。220系クラウンで考えると、2リッター直4ターボが、180kW(245馬力)。2.5リッター直4ハイブリッドが、135kW(184馬力)。3.5リッターV6ハイブリッドが、220kW(299馬力)となっているので、少なくとも無線警ら車の基準はどれも満たしている。実際には、無線警ら車の2WD車と交通取締用四輪車ともにハイブリッドではなく、2リッター直4ターボの220系クラウンが選ばれ、各地に納入されている。
予算がカツカツなのでカスタムしている場合ではない!?
交通取締用四輪車の基準が150kW(204馬力)以上なのに対し、220系クラウンの直4ターボが180kW(245馬力)ならスペック的には十分で、わざわざチューニングする余地はない。また納入価格を見ても、2021年3月に行われた警察庁の入札価格の合計は約9億6548万円。これは234台の220系クラウンパトカー(2WD)の価格なので、1台分約413万円。ベースになった2リッター直4ターボの「RS」の新車価格が、510万円だったと考えると、パトカー仕様は内装などを簡素化していたとしてもかなり割安で、エンジンチューンに予算をまわせる余裕があるとは思えない。また、パトカーは日々過酷に使われるので、マイナートラブルやリコールにはかなり敏感。歴代クラウンも初期トラブルを警戒し、マイナーチェンジ後のモデルから納入開始することが多かったほどなので、トラブルリスクを背負ってまで動力性能を向上させるようなオーダーをするとは考えられない。ちなみに神奈川県警の無線警ら車の仕様書には、
「車両は、納入後において、修理等を円滑に行えること」
「車両を納入した日より36か月以内又は走行距離60,000km以内で、車両を構成する純正部品について、材料又は技術上の欠陥が現れた場合は、無償で他の良品と交換若しくは修理すること」
という一文が入っている。
さらに余談だが、パトカーには赤色回転灯がついているので、空力性能はかなり悪い。空気抵抗は速度の二乗に比例するので、例えばドアミラーのサイズでも、空気抵抗による馬力損失は、100km/hでおよそ1馬力、180km/hでおよそ5~6馬力といわれる。パトカーのあの大きな赤色回転灯だと、馬力損失も馬鹿にならないというわけだ。また、パトカーは通常2人乗車で、なおかつトランクには常時60kgの装備が搭載されているのが前提。重量的にはかなりマイナスになるので、パトカーの運動性能は、ベースのクラウンよりもかなり見劣りするのが現実だろう。速度違反のクルマを追いかけるときも、法定速度を遙かに上まわるような車両は、単独で追尾することはないとされているので、速度リミッターすら解除されていないと考えるのが妥当だろう。(藤田竜太)
速度違反車を結構ぶっ飛ばして追いかけるパトカー! 性能はどのぐらい? チューニングはされているのか?(WEB CARTOP) - Yahoo!ニュース
パトカーには大きく分けて2種類がある。一つは警察署や自ら隊などで使っている警ら用無線自動車、もう一つは交通機動隊や高速隊などで使っている交通取締り用のパトカー、警ら用のパトカーはエンジンなども一般の車と同様で特に変わらない。そこにいろいろな装備を付けたりトランクに収納しているので加速は良くないが、それでもクラウンだからまあそこそこではある。一方交通取締り用のパトカーはデカいエンジンに付け替えている。だから加速などもかなりいいが、リミッターを解除したりはしていない。最近は無理な追跡はしないで各分駐に手配したり画像データを使ったりして事後捜査をすることが多いので速度はさほど必要ないのかもしれないが、振り切られてばかりいるとお上の御威光に傷がつくのでそれなりに速い。警察に納入する車は大体モデルチェンジ前の在庫車が多い。何故かって安いから。車両それ自体はバカみたいに安い。警察用の車両はクラウンと言っても豪華装備などはすべて取り払っているので信じられないくらい安い。ただ無線機や赤色灯、照会用端末、その他パトカーの装備を装着すると結構な価格になる。こうした改造はTRDなどでやっている。パトカーなどは国の予算で購入して各都道府県に割り振っている車が多い。以前は日産セドリックやスカイラインなどのパトカーもあったが、最近はクラウン一本槍になってしまった。新型クラウンはクロスオーバーになってしまったが、次も現行型がモデルチェンジ前になるとパトカー用車両として納入されるだろう。これからは動力も様々出てくるので次のパトカーの動力がどうなっているかはちょっと分からないが、・・(◎_◎;)???
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