【防衛費倍増 これだけの疑問】#5
はたして、岸田政権が進めている「新戦闘機開発」はうまくいくのだろうか。防衛省は英、伊との3カ国共同で次期戦闘機であるFXの開発を進めている。この事業は成功するのだろうか。その実現は防衛費増額の理由のひとつである。100機の製造配備を含めると20年で5兆円程度となり、従来の予算規模では賄いきれない計画である。しかし、このプロジェクトは、炎上必至かつ失敗確実の案件である。

第1に性能は不満足となる。まず日本には最新戦闘機を造る能力はない。かつて期待を集めた国産戦闘機F2は、米F16のコピーで終わってしまった。性能はほとんど変わらないにもかかわらず、値段は3倍の失敗作であった。同様に英伊にも一流戦闘機を造る能力はない。もちろん日本よりはマシではある。ただ両国が開発した最新作のタイフーンも二流機で終わった。FXは二流機にとどまるに違いない。現用のF35戦闘機を超える見込みはない。加えてエンジンの不利もある。日本向けFXには、国内開発エンジンを搭載する予定だ。ただ同様に国内開発型を積んだ国産の哨戒機P1、練習機T4、国産ヘリOH1は、すべて深刻なエンジン不良の問題を抱えている。

第2には納期が読めない問題である。航空機開発は計画遅延が常態化している。戦闘機製造で二流の英伊、三流の日本では、その弊害も大きくなる。いつ完成するかはわからない。しかも、その間に米国は次世代戦闘機NGADを完成させるだろう。FXよりも1世代分は新しい戦闘機だが、開発順調である。FXは旧式機となる運命にある。

第3が予算超過である。現時点での事業総額はざっと3.5兆円といわれている。実際には5兆円は必要となるだろう。航空機の開発費や生産単価も超過が常態化している。これも国産のF2戦闘機やP1哨戒機、C2輸送機がたどった道である。ちなみにC2は、搭載重量3倍の米輸送機C17と同じ値段となった。このFXをやめれば防衛費増額の必要性は減る。その代わりに1機100億円で買えるF35を100機買い増しすれば、合計1兆円で済む。5兆円から差し引き4兆円を節約できるのである。(文谷数重/元3等海佐・軍事研究家)

 

防衛費増額の理由のひとつ 失敗確実な「国産戦闘機」開発をやめれば4兆円も浮く(文谷数重)(日刊ゲンダイDIGITAL) - Yahoo!ニュース

 

Youtubeのオオカミ少佐は同じ海自のOBだが、オオカミ少佐は結構まともなことを言うが、このおっさんはめちゃくちゃだな。国内で戦闘機や戦車、艦船、潜水艦、ミサイルなど主な武器を開発するには理由がある。まず自国での開発能力がないと武器を買う際に相手に言うなりになるしかなくなってしまうこと、そして最も大事なことは技術は研究開発を継続しないと進歩しないこと、そのいい例が開発中止になった三菱スペースジェットである。あの機体の失敗の原因は旅客機開発50年の空白である。戦闘機にしろ潜水艦にしろ戦車にしろ艦船にしろロケットにしろなんだかんだ言われながらも開発を継続してきたものはそれなりに結果を出している。F2も完成当時は間違いなく世界最新最強の戦闘攻撃機だった。その後F16も改良が行われてF16VになるとF2に勝る部分もあるが、それは20年の時間的優位のためではある。戦闘機開発能力についても機体開発は日本は英国よりも一歩先に行っている。日本は高度なステルス性能を有するX2を作っている。これは研究機で戦闘機ではないが、英国はステルス機の開発経験はない。ただタイフーンも一流の戦闘機ではある。決して二流ではない。イタリアなどは話にならない。エンジンについては英国に技術的な優位性がある。FCSなどアビオニクスについては日本もいろいろ研究しているのでさほど劣っているということはないだろう。最新兵器の開発では米国など各国もそれなりに失敗している。日本の場合は失敗したと言うと監査事務局にやられるので運用でカバーとかいろいろやっていると聞いたこともあるが、その辺はどこも一緒だろう。戦闘機開発で日本が最も不得手なことはシステムデザインだろう。その辺は経験のある英国が主導していけばいい。国産エンジンは問題があるというが、P1は毎日上空を元気に飛んでいる。T4は老朽化のせいで危ないのはOH1くらいだろう。ただ航空機用エンジンは日本が最も遅れている分野ではあるが、これは太平洋戦争当時からずっと続いている問題ではある。戦闘機にしろ何にしろ自主開発は金がかかるし失敗の恐れもある。しかし開発を継続していかないと技術は進歩しないし、主力戦闘機が一機種だとそれがトラブルを起こした場合、作戦できる戦闘機がなくなってしまう。F15とF2が事故で飛行停止になった時、最もロートルのF4が日本の空を守っていたということもあった。何事も金がかかるというのはよろしくないが、金が節約できればなんでもいいというものではない。主体的な防衛能力と技術の継承、これが最も大事なことでそのためにはある程度の予算を使うことはやむを得ないだろう。このおっさんも共産党系の雑誌に投稿しているのでお上の足を引っ張りたい人物なんだろうけど技術の継承と言う一点を取っても開発は続けるべきだろう、・・(-_-メ)。

 

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