日本の宇宙開発の道
1970年の今日(2月11日)、東京大学宇宙航空研究所(現・宇宙科学研究所)によって日本初の人工衛星「おおすみ」が打ち上げられました。
人工衛星技術と軍事開発には切っても切れない関係があります。人工衛星はロケットに乗せて宇宙空間に飛ばされますが、現在のロケット技術は第二次世界大戦末期にナチス・ドイツによるV-2ロケットの開発によって大きく進展したといわれています。終戦後も多くのドイツのロケット技術者たちが、アメリカやソ連に亡命し技術研究を続けました。
米ソは1950年代に宇宙開発競争を繰り広げ、ロケットに人工衛星を載せて技術力の高さを示しました。そして、人工衛星を核弾頭に付け替えれば、核ミサイルが出来上がります。
そのような状況にあって、日本の宇宙開発は珍しい道をたどりました。日本初の人工衛星「おおすみ」は、弾道ミサイル開発の副産物ではなく、東京大学宇宙航空研究所(現・宇宙科学研究所)という非軍事の研究機関によって開発されました。打ち上げに使用されたのはL-4Sロケットという4段構造のロケットです。
1970年2月11日の13時25分、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられた「おおすみ」は地球を周回する楕円軌道に投入され、同日の15時56分10秒には地上で信号を受信することに成功しました。その後「おおすみ」からの電波信号は徐々に低下していき、翌12日地球を6周した時点での通信が最後になりました。設計上の電池容量は約30時間とされていましたが、期待が想定よりも高温になったことで寿命が短くなったものと考えられています。
「おおすみ」は電気的な機能を停止してからも約33年間にわたって地球を回り続け、2003年8月2日午前5時45分に地球の大気圏に突入し燃え尽きることになりました。(ブルーバックス編集部(科学シリーズ))
日本の宇宙開発の大きな一歩…人工衛星「おおすみ」打ち上げ成功から今日で51年(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース
L-4Sと言うロケットは当時の日本社会党が、「誘導装置をつけるとミサイルなどの軍事開発につながる」などと訳の分からないことを言って誘導装置の開発に反対した。しかし、ロケットをまっすぐ上に打ち上げても衛星を軌道に乗せることはできないので「無誘導重力ターン方式」と言う非常に面倒くさい手の込んだ方法で打ち上げられた。またこのロケットは衛星打ち上げ用の最も安価なロケットだそうである。以来、50年、日本は少ない予算で地道な開発を続け、今では世界最先端の衛星打ち上げ技術や惑星間航行技術を獲得するに至っている。こうして継続的に地道な研究開発を続けて経験を蓄積することで技術は発展する。どこかの半島の国のように他国のブラックボックスを開けて「最新技術獲得だあぁぁぁぁ、・・」などと言っても身には着かない。宇宙航空は明日の日本にとって重要な先端産業ではある。今後も地道な努力を続けて欲しい、‥(^。^)y-.。o○。
日本ブログ村へ(↓)