「神様たちのお伊勢参り」という文庫が出ている。1から6まで6巻ある。内容は男に騙されて金をむしられた女が最後の頼みに伊勢神宮に神頼みに来たが、そこで有り金すべてひったくられて途方に暮れていると山の中にある宿にたどり着く。
そこはキツネが経営するお伊勢参りに来た神様が泊まる不思議な宿でそこで仲居さんとして働き始める。この主人公の女、男と同棲していたんだから男女のことは一通り承知はしているんだろうけど無暗に初心で純情っぽい。宿を経営するキツネとは相思相愛なんだけど何だか恋愛初体験のような関係ではある。
そしてその宿を経営するキツネや割烹担当の女性、これもキツネさんだが、そして大国主命から預かった無暗にずる賢く食い意地の張ったウサギや人間からあやかしに変わった女など様々登場して、これに各回それぞれ話に加わる神様と様々な問題を解決していく、いわゆるオカルトファンタジーと言うかオカルトラブコメディと言うか、そんなものが合わさったような話ではある。
主人公の女、とにかく単純で考えなしの突撃タイプで無暗に単純な仲間思いで優しくて、恋人のキツネや周囲の登場人物やそして神様に好かれ、助けられて話が進んでいくが、とにかくストーリーが単純なのであっという間に読み終わってしまう。
ギリシャ神話もそうだが、日本の神話に出てくる神様も無暗に俗っぽく、そして人間臭くて、神様なんだから想像を絶する力を持っているかと思うとそうでもない。そんな狭間で主人公の女性が常に突貫精神を発揮して問題を解決していくのは、ストーリーが単純なだけあってあっという間に読み終わってしまうが、結構後を引く、「うーん、どうなるんだろう」と言う話ではある。冷静に理詰めで考えればバカバカしいのだが、そういうバカバカしさがかえって興味を引く話になっているのは、「お迎えに上がりました。国土交通省国土政策局幽冥推進課」「鳥居の向こうは知らない世界でした」と似たようなところがある。
最近、そうしたオカルトファンタジーと言うかラブコメディのような作品をけっこう読んでいるが、まあ、他愛もないが、それなりハッピーエンドなのが何となくほっこりできるかも、・・。それにしても最近の読書癖と言うかジャンル、著しく変化したなあ。以前ならこの類の本を手に取ることもなかったんだけど、どうしたんだろうか、・・(^。^)y-.。o○。
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