結婚を半年後に控えた30歳の男性、彼には密かな日課があった。高校の時に好きだった転校生の女の子のブログを見ることだ。ある日、彼はブログが更新されたのに気づき、驚く。女の子は小児がんで12年前に死んでいるのだから…。彼は誰がブログを更新したのか知るため、疎遠になっていた高校の同級生たちに会いに行くが、・・。そしてその過程で恋人や家族、友人、そうした人との関係や近親者の死と言うものをどう受け入れて自分の中で整理していくか、そうしたことを知り、彼は一回り成長していく。死んだ女の子は「もしも自分が30歳まで生きていられたら、・・」と人生の設計図を残している。自分には時間がないことを分かっているので好きだった彼にも何も言わずに死んでいく。「君は今、何を見て、何を思っていますか?」彼が30歳になった時に更新された女の子のブログ、それは「今でも私のこと好きなら結婚して、・・。」というメッセージだったのか。

 

何だかこの話も切ない話だねえ。若い人たちが一生懸命生きようとしているのに生きられないというのは本当に切ないねえ。だから命を無駄にしてはいけない。昭和50年ころに評判になった作家で庄司薫と言う人がいたが、この人はピアニストの中村紘子氏の旦那で大学に講演に来たときはドストエフスキーを凌ぐ作家になるとか言っていたが、作家よりも不動産屋の才能があったようでバブルにマンションを売り抜けてえらく稼いだらしい。この人の代表作は「赤頭巾ちゃん」三部作でその中に「困難に直面したら取り敢えず全力で逃げてみる」方法なんてのがあった。それで逃げ切れたらそれは人生にとって取るに足らぬもので逃げ切れなかったらどうするかは書いていなかったように思う。

 

こんなのも一つの方法で生きていれば困難はあれこれ様々あるだろうけど状況によって戦うか、逃げるかを考えて臨機応変な対応をすべきだろう。もっとも自殺をするときは頭の中は死ぬという選択肢しかないそうだが、・・。僕などは性格が戦闘系なんで「自存自衛のためには武力行使も辞さず」で生きてきたが、まあ生きていれば何とかなる。生きられない人もいるんだから。

 

この話も読んでいると本当に切ないねえ。身近な人間を何人も亡くしているので身につまされる。もしもある日突然メールが来たらとか考えてしまう。伝えておけばよかったこと、言い足りなかったことなど様々あって、でもどうしてもやむを得ない部分もあって、・・そんな思いが交錯してちょっと切ない話ではあった、・・(^。^)y-.。o○。

 

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