「天国までの49日間」と言う作品を読んでみた。これまでならこの手のものを読むことはあり得なかったんだけど最近はこんなのもよく読むようになった。
内容はいじめを苦にしてそのいじめの相手に死んで仕返しをしてやろうと飛び降り自殺した14歳の中学生が主人公でこの子は死んだ直後に目を覚ますと目の前に天使がいて「49日間の猶予を与えるから天国に行くか地獄に行くか自分で決めろ」と言われ、地上に幽霊として止まることになる。しかし、現実はいじめの相手を呪って仕返しをしようと恨みを綴った遺書は風に飛ばされて側溝に落ちてなくなってしまうし、自分の葬式の家族の様子は面倒くさがっているようで冷たい。
「自分なんかいなくてもだれも何とも思わないんだ」とショックを受けて地上をさまよっていると霊感の強い同級生の男子が主人公の存在に気がつき、その男の子のところに身を寄せて一緒にいるが、この男の子も淡々として冷たい。「自分は何のために死んだんだろう」と自問する日々が続いていたところ、いじめの加害者が夜の学校で次々事故に遭い、そこで強力な悪霊に出会い、取り込まれそうになるのを霊感の強い男の子に助けられる。
この男の子とその地縛霊について調べるとずっと以前にいじめを苦にして自殺した女の子の霊が学校に取り付いて強力な地縛霊となっていたことが分かる。そしていじめの首謀者の女子中学生がこの悪霊にとり殺されかけた時、主人公の女の子は霊感の強い男の子と力を合わせて必死に戦うが、最後に、「人を恨んで復讐しても何もならない。それは自分を傷つけるだけだ。」と悪霊を説得して元の少女の霊に戻して天国に送ってやる。
『人を恨んでも何もならない。自分が傷つくだけだ。人は許すということを知るべきだ』これは全くその通りと思うが、現実にはなかなか難しい。京アニの事件も全くその通りだが、結果としてはああいうことになってしまう。人間と言うのは救われないものではある。
で、この主人公の女の子、自分の家族も自分のために一生懸命いじめをなくそうと努力していることを知り、また霊感の強い男の子と初恋を体験して「自分は周りから大事にされていたんだな」と知って天国に去って行く。そして15年ほど経ったある日、心理カウンセラーになった霊感の強い男の子のところに14歳の少女が現れる。その子はどうも主人公の生まれ変わりのようだ。そしてこれで話は終わっている。
内容としては他愛もないものでいじめと言う陰湿なテーマの割には主人公が淡々として、主人公の女の子も霊感の強い男の子もとても中学生とは思えないまるで大人のような考え方をするし、ストーリーもハッピーエンドなのであまり陰湿な感じも受けない。でも実際のいじめと言うのはかなり陰湿なようだ。
でもなあ、だからと言って死んではいけない。物語ならハッピーエンドで生まれ変わりもあるが、現実には死んだらすべてが終わってしまう。死ぬなら戦えばいい。手段はいくらでもある。現実に助けてくれる人もいるだろう。だから、がんばれ、いじめなんかに負けるな・・とそう言いたい。
でもなあ、「人を恨んでも何もならない。自分が傷つくだけだ。人は許すということを知るべきだ」と言うのは全くその通りだと思う。この世の中の人間どもが少しでもそういう気持ちが持てたら世の中の争いごとも少しはなくなるんじゃなかろうか。でもダメなんだよなあ。それが人間の性なのかもしれないから。おい、人間、もう少し優しくなれんか、・・(^。^)y-.。o○。
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