● せっかくの楽しいレジャーが台無しに?
 そろそろ夏がやってくる。夏といえば、レジャーや音楽フェス、帰省などのイベントが盛りだくさん。クルマで移動することも多いと思うが、そこで気になるのが車内でのマナーである。特に微妙な問題なのが、同乗者が眠ることを嫌がる運転手が少なからずいるということだ。筆者はこれに、いつもモヤモヤしている。ある30代の男性は、同乗者が眠ることをマナー違反だと感じるという。同乗者に寝られてしまうと、手持ち無沙汰になり眠気が襲う。助手席に座っているならなおさらで、起きてサポートや会話をすることが最低限のマナーと感じている。もちろん、家族連れの旅行で子どもなどが乗っているケースは別であろう。しかし、友人同士のレジャーの場合、同乗者も運転手に気を使うことが多いのではないか。運転手の機嫌を損ねて、せっかくのレジャーが台無しになってはいけない。しかし、である。助手席といっても最近ではカーナビがあり、サポートの必要は少なくなっている。また、レジャーを楽しむために、疲れている同乗者は睡眠をとったほうがいいという考え方もある。交代で運転する場合は、なおのこと休んだほうがいい。筆者は、アルコール依存症で酒がやめられなかった時期に免許の更新を放棄して以来、運転はしていないが、以前は運転中に同乗者が眠っても、まったく気にならないどころか、できるだけゆっくり休んでほしいと思っていた(その理由は後で述べる)。はたして、運転手以外の同乗者が眠ることはマナー違反なのだろうか。
 
● 「全員がつらい思いをしなければ」という同調圧力
 インターネットリサーチサービス「リサーチプラス」が全国1000人を対象に調査した結果によると、「ドライブ中に助手席に座る人のイラッとする振る舞い」の第4位は「当たり前のように寝る」で34.7%だった。助手席に限っての質問だが、やはり運転中に寝られてしまうのに抵抗感がある人が一定数いることがわかる。気持ちがまったくわからないでもない。運転とは孤独な作業だ。安全に配慮して運転しなければならず、集中力が要求される。そのうえ、適度にリラックスしなければ集中力が保たれず、同乗者との会話は運転手にとって大きな気晴らしとなるからだ。しかし、音楽を聴く、風景を楽しむなど、気晴らしの方法はほかにいくらでもある。それに加えて、コーヒーや清涼菓子を用意しておけば、眠気もある程度、抑えることができるであろう。「必ず同乗者は起きていなければいけない」という声には、同意しかねる。ある30代の女性は、友人たちとレジャーに行った帰り道、クルマの中で強い眠気に襲われた。ところが、4人いた友人の中で運転できるのは、男性一人のみだった。もう一人の男性も免許を持っていたが、行きに運転したため、帰りは任せるつもりで直前まで飲酒をしていたのだ。よく起こり得るシチュエーションである。遊び疲れた長い帰り道をひとりで運転させることに引け目を感じ、必死に会話を盛り上げる女性。しかし、徐々に体力の限界が迫ってくる。途中のパーキングエリアで、女性は運転手以外の3人にそのことを打ち明けた。すると、ほかの3人も、眠気と戦いながらも、運転手に気を使って必死に起きて会話していたことがわかった。ここで、筆者が気になるのは、なぜ全員がつらい思いをしなければいけないのか、ということだ。これは昔からの持論なのだが、つらさを均等にわけたり、全員が共有したりすることは、とても非合理的でナンセンスであると考えている。体育会系の会社によくある、「かきいれどきに営業部が頑張っているのだから、わたしたち○○部も残業しよう」という発想に似ている。もちろんできるだけ協力はしたいが、なにも無理してまで苦労することはない。休める人は休んだほうがいい。
 
● なぜ、筆者は同乗者が眠るとうれしいのか
 妻とスーパーに買い物に行く時、筆者はビニール袋に入った荷物を全部持つことにしている。妻は「半分は持つ」と言うのだが、筆者は持ちきれる荷物はすべて一人で持つ。なぜなら、一つでも持った時点で、すでにつらいからである。別に一つ持とうが、二つ持とうが、つらいものはつらい。むしろ、せっかく自分が進んでつらい思いをしているのに、妻まで荷物を持ってつらかったら、苦労のしがいがない。あまり納得していないようだが、最近では、妻はなにも言わなくなった。つまり、5対5でつらさを分配するよりも、10対0のほうが、0を一つ作れたぶん、得した気持ちになるのだ。食材をたんまり買ったのにもかかわらず、まったく重い荷物を持たずに、街の風景を眺めながら、らくして散歩できる人物をひとり作り出すことができる。5から10になるより、0から5になるほうがつらいし、なによりも0というストレスフリーな魔法の数字を弾き出せることに、喜びを感じる。筆者が運転手だった場合、ほかの人が寝ていようが、お酒を飲んでいようがまったく気にならないどころか、むしろうれしい気持ちになるのはそういった理由からである。5人乗りのクルマで同乗者が全員眠っていたら、なんと0が4つである!しかし、この考え方を話しても、あまり賛同を得られたことがない。なぜなのだろうか。たしかに、運転中に会話で盛り上がることも、レジャーの楽しみの一つだという側面もあるが、相手に無理をさせてまで盛り上がりたいとは到底思わない。どうしても、ひとりで運転するのがつらいという人がいるなら、他の同乗者が眠ってしまっても退屈しない機能をクルマにつければどうか。たとえば、AIが会話の相手になってくれる、なんてことも、そろそろできるようになる気がする。とにかく、筆者はクルマの同乗者が眠るのがマナー違反だとは思わない。これからも、この意見とその理屈を根気強く普及させ、人々を啓蒙していきたい所存である。当連載についてご意見がある方は、筆者のTwitterアカウントにご連絡いただきたい。すべてには返信できないが、必ず目を通したいと思う。(フリーライター 宮崎智之)
 
同乗者が寝るのが嫌なら車で行かずに電車などの公共交通機関で行けばいい。車の運転は孤独なもので同乗者が起きていようが寝ていようが眠くなる時は眠くなる。これは全くの私見なんだけど車を運転していると体をほとんど動かさないので脳が体は睡眠状態と認識して脳も睡眠に入ろうとして眠くなるんじゃなかろうか。眠くなったら車を止めて体を動かすと眠気が消える。動かすときは最低でもラジオ体操程度、もっと過激な運動でもいいのでとにかく少し過激に体を動かすこと。何をするよりこれが一番効果がある。車の運転は好き嫌いがあるのであまり好きではない人が長距離運転させられると大変だろう。僕は車もバイクも自分で運転するのが大好きで1日に5~600キロくらいは苦にならない。運転していない方がかえって手持無沙汰で疲れるので長距離だろうが何だろうが、一人で運転している。ああ、そうだ。バイクだったら眠くならない。眠くならないが、長時間休憩なしで走っているとライディングが荒っぽくなる。時々バイクで居眠りをして転倒したり衝突する人がいるが、あれは睡眠障害や無呼吸症候群などの病気だろう。以前居眠りして仲間のバイクに突っ込んでバイクをお釈迦にした人は無呼吸症候群だった。まあ同乗者が寝ているとムカつくというのは車の運転が好きではなく負担と感じている人の一群だろうと思う。運転が好きならそんなことは関係ないからねえ。今はナビもあればETCもあって一人でも運転には困らないしねえ、・・(^。^)y-.。o○。
 
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