この世に未練を残した主人公が何らかの形で死後にこの世に姿を現すという話は結構ある。「ゴースト/ニューヨークの幻」と言う映画があったが、この世に未練を残した人が幽霊なり、他人に乗り移ったりしてこの世に現れるという手法はこの映画のメガヒットでかなり使われているようだ。

 

 

この作品もその手の作品で地震で脱線した列車に乗っていて亡くなった女性が仕事一途で家庭を顧みない夫と自分の子供の前に霊媒師の体を使って現れて夫に家庭と子供に目を向けるよう再教育をするという話でちょっと読むと「ああ、その手の話か」と分かってしまう話ではある。

 

 

現実にはこの世に様々な思いを残して人生を終わる人は山ほどいるだろうし、またそうした人たちが何らかの形でこの世に戻ってくるということはホラーやファンタジーの世界では頻繁に起こるが現実的にはあり得ない話ではある。自分の周りにも不慮の事故や病気などで人生を途中であきらめなければならなかった人が何人もいた。

 

 

この話とは逆に奥さんと子供を残して30代で亡くなった友人もあってやはりさぞ無念だっただろう。他にもがんなどで亡くなった知人、近親者などは何人もいるが、自分自身がそうした人たちに何をしてやれたのかと思うと無念の思いばかりで誠に慚愧に堪えない。

 

 

そういう話だろうなと早くから気がついてはいたが、読み進むにしたがってこれまでの無念の思いをすべて思い出し、何とも言えない気分ではあった。いっそのことどんな形でも目の前に出てきてくれれば聞きたいこともあり、また伝えたいこともあるのでまだしも救われるのだが、そんなことはあり得ないので亡くなった方はもちろん、残された方も慙愧の念を持って生きていかないといけない。

 

 

作品では霊媒師の体を使ってこの世に戻ってある程度思いを遂げて戻って行ったのでその点では救われる話にはなっているけどねえ、・・(^。^)y-.。o○。

 

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