「高校事変」というクライシスアクション小説を読んでみたが、この話はいわゆる「ネタばれ」になるのでこれから読もうとしている人は読まない方が良いと思う。
この話は神奈川県の武蔵小杉にある高校に視察に行った総理大臣一行が武装集団に襲撃されて制圧された学校内に取り残されたのを平成最悪の半ぐれ集団の首領、オウムと半ぐれを合わせたような集団か、で死刑になった男の娘が子供のころから仕込まれた特殊戦技術を駆使して総理大臣らを救出する話でどうも何かに似ていると思ったら「ホワイトハウスダウン」という映画にそっくりだった。
この映画も武装集団に占拠されたホワイトハウス内でシークレットサービス志願の男性が活躍して大統領を救出する話だが、どっちも設定がよく似ている。主人公は軍隊や警察経験のある男性と女子高生という違いはあるが、あっという間に制圧された建物内で主人公が一人一人と敵を倒していく設定などはよく似ているし、警備側のシークレットサービスやSPがバカみたいに簡単に倒されるのも救助に向かった特殊部隊が、これもいとも簡単に撃破されるのもよく似ている。
軽装備の軍隊並みの武装をした150名ほどの半ぐれ集団と言っても一部に元自衛官などがいるようだが、他は半ぐれでは今の陸上自衛隊特殊作戦群などが突入すれば人質になった教職員や高校生の犠牲を考えなければあっという間に制圧されるだろう。話では突入第一陣の自衛隊は全滅しているが、半ぐれ集団相手に全滅するような特殊線部隊では実際には何の役にも立たないだろう。
それで飯を食っているプロというのは恐ろしいもので半端ではない。スポーツの世界でアマがプロに全く歯が立たないのと同様に戦闘の世界でも全く相手にはならないだろう。いくら子供のころから戦闘訓練を受けていると言っても女子高生1人、この女子高生は戦場の鉄則をよくわきまえたドライな性格で淡々と事務的に敵を倒していくが、に壊滅させられるような武装集団では戦闘のプロである自衛隊の特殊部隊では話にならないだろう。自衛隊をなめてはいけない。SPは武器と言っても拳銃1丁に弾倉1本程度しか持っていないので大量の武器で武装した大集団には太刀打ちできないだろうが、・・。
それから黒幕もホワイトハウスダウンでは下院議長で軍事産業を守るためだったが、高校事変では法務大臣か何かの閣僚で自身の野望のために仕組んだという設定になっている。それにしても人集めもそうだが、日本において150人からの人間に軽装備の軍隊並みの武装をさせるだけの武器を調達するのは絶対に不可能だろうし、仮にできたとしても調達資金も莫大になるだろう。確かに世界には武器は氾濫しているが、それを日本に持ち込むにはそれ相応の組織とルートに金が必要になる。
まあ、そうして理屈で詰めていくとトンデモ話のようになってしまうが、まあ話の展開が早くて次から次と山場が来るのでけっこう引き込まれて読めてしまう。あまり難しいことを考えずに暇つぶしにそこそこハラハラドキドキ、いったいだれが何の目的でこんなことをしているんだとか思いながら読めば面白い作品かもしれない、・・(^。^)y-.。o○。
日本ブログ村へ(↓)