米海軍の最新鋭多目的駆逐艦「ズムウォルト」(全長約185メートル、約1万6000トン)が米西海岸から外洋に出港し、4月に初めてハワイに寄港した。当面、太平洋海域で訓練するとみられる。先進技術を集結させた次世代型駆逐艦として巨費を投じた船体はレーダーの反射を抑えるステルス性を徹底した独特の形状。しかし、主砲は砲弾が高価すぎて使えない弱点もある。
3月に米西海岸の母港があるサンディエゴを出港し、カナダやアラスカなどを経由して、ハワイの真珠湾に4月2日に到着した。米海軍は「多様な任務を可能にするステルス性とパワー(出力)、高性能コンピューターを備え、新たな脅威に対処できる技術を組み込むことができる」としているが、運用方針を練り直しているのが現状で、「実験艦」の域を出ていない。
◇砲弾1発1億円
海兵隊の上陸作戦支援のため、沖合から沿岸内陸の敵を精密攻撃できる155ミリの先進砲システム(AGS)2基を備えているが、隻数が少ないため精密誘導の砲弾を量産化できず1発100万ドル(約1億1000万円)近くに高騰。巡航ミサイル『トマホーク』1発の値段に匹敵し、弾の調達は途中で打ち切られ、主砲は撃てない状態になっている。米専門家からは「海軍は巨費を投じて銃とホルスターは買ったが、弾は購入しないことにした」や、「最先端の技術を一つのプラットフォームに詰め込みすぎて最初から失敗した」と批判する声が出ている。ズムウォルト級1隻当たりの年間運用・維持費は7400万ドル(約81億円)で、現在の主力アーレイ・バーク級イージス駆逐艦の2倍超となっている。
◇対中国念頭に装備変更か
海軍では中国の軍事力を念頭に、巡航ミサイルや対艦ミサイルの能力を向上させるめに垂直発射装置のセル数を増やすことや、大容量の発電力を生かして、電気エネルギーから発生する磁場を利用して弾丸を発射する電磁加速砲(レールガン)を装備する案などが浮上しているとされる。海上自衛隊幹部は「将来の米駆逐艦の装備を見据えたベースとして使用されている感がある。レールガンの艦艇への装備化の行方を注視したい」と話している。
3月に米西海岸の母港があるサンディエゴを出港し、カナダやアラスカなどを経由して、ハワイの真珠湾に4月2日に到着した。米海軍は「多様な任務を可能にするステルス性とパワー(出力)、高性能コンピューターを備え、新たな脅威に対処できる技術を組み込むことができる」としているが、運用方針を練り直しているのが現状で、「実験艦」の域を出ていない。
◇砲弾1発1億円
米議会調査局などによると、「ズムウォルト級」1隻の建造費は約44億ドル(約4800億円)。海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」(全長248メートル、1万9950トン)4隻分に相当する額だ。海軍は次期主力駆逐艦として、ズムウォルト級の建造数を当初32隻としていたが、コスト高で3隻に減らされた。
海兵隊の上陸作戦支援のため、沖合から沿岸内陸の敵を精密攻撃できる155ミリの先進砲システム(AGS)2基を備えているが、隻数が少ないため精密誘導の砲弾を量産化できず1発100万ドル(約1億1000万円)近くに高騰。巡航ミサイル『トマホーク』1発の値段に匹敵し、弾の調達は途中で打ち切られ、主砲は撃てない状態になっている。米専門家からは「海軍は巨費を投じて銃とホルスターは買ったが、弾は購入しないことにした」や、「最先端の技術を一つのプラットフォームに詰め込みすぎて最初から失敗した」と批判する声が出ている。ズムウォルト級1隻当たりの年間運用・維持費は7400万ドル(約81億円)で、現在の主力アーレイ・バーク級イージス駆逐艦の2倍超となっている。
◇対中国念頭に装備変更か
議会調査局によると、海軍はズムウォルト級の任務を当初の艦砲射撃支援だけでなく、対艦攻撃などの水上戦闘能力を重視したコンセプトに変更。経費として2020会計年度予算で1億5500万ドル(約170億円)を要求している。
海軍では中国の軍事力を念頭に、巡航ミサイルや対艦ミサイルの能力を向上させるめに垂直発射装置のセル数を増やすことや、大容量の発電力を生かして、電気エネルギーから発生する磁場を利用して弾丸を発射する電磁加速砲(レールガン)を装備する案などが浮上しているとされる。海上自衛隊幹部は「将来の米駆逐艦の装備を見据えたベースとして使用されている感がある。レールガンの艦艇への装備化の行方を注視したい」と話している。
ズムウォルト1番艦は16年に就役。システムの自動化を進め乗組員は約150人とイージス艦の半分程度で運用できるようにした。 船体はステルス性を徹底するために傾斜を付け、突起物を極力少なくし、主砲の砲身も格納式になっている。敵のレーダーに探知された場合でも、船影の大きさは小型の漁船程度にしか映らないという。2番艦は19年1月に就役。最後の3番艦もこの4月に進水式を終え、21年に就役する予定(時事通信社編集委員 不動尚史)。
鳴り物入りで建造された最強水上せ戦闘艦ズムウォルトも予算の前には形無しで白旗を掲げてしまった。原潜のシーウルフと同じで実験艦として使われるのかもしれない。しかし4800億円とはまたべらぼうではある。まあ空母1隻1兆円と言うのでそれに比べれば安いが、トン当たりの単価では空母を凌ぐだろうし、空母の1兆円は艦載機を含むだからコスパ的戦闘力としては空母が上だろうか。まあいずれにしても金の切れ目が縁の切れ目ではある、‥(^。^)y-.。o○。
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