日本とオーストラリア両政府による2プラス2では、東シナ海や南シナ海での海洋進出を継続する中国をにらみ、安全保障分野での連携強化が確認された。ただ、豪州では8月にモリソン政権が発足したばかりで、対中方針は見通せない側面もある。過去には政変を機に「親中」になびいたこともあるため、日本は慎重にモリソン政権の安保戦略を見極める構えだ。

日本は豪州を「準同盟国」と位置づけ、防衛協力を推進してきた。自衛隊と豪軍の物資融通を円滑にする「物品役務相互提供協定(ACSA)」を米国に次いで発効したほか、今年1月の日豪首脳会談では「訪問部隊地位協定(VFA)」の早期妥結も確認している。

ともに海洋国家である日豪両国にとって、最大の脅威はシーレーン(海上交通路)の安全を脅かす中国にほかならない。防衛省幹部は「中国への脅威認識は常に共有している」と語る。

しかし、豪州の対中姿勢は必ずしも一貫してきたとはいえない。

2015年9月に安倍晋三首相と蜜月関係にあったアボット首相が退任し、中国ビジネスで成功を収めたターンブル首相が就任。その直後、豪州は軍事的要衝である北部ダーウィン港を中国企業に99年間貸与する契約を許した。米国は南シナ海をにらんで同港近くに海兵隊を駐留させており、豪州への不信を募らせた。

16年には豪海軍の次期潜水艦の機種選定で日本提案の「そうりゅう型」の採用が退けられた。さらにこの間、インドも豪州の中国接近に不満を抱き、軍事交流が停滞。豪州は安倍政権が掲げるインド太平洋戦略の主軸となる「日米豪印」の綻(ほころ)びとなりつつあった。

ターンブル氏が昨年後半から対中強硬路線にかじを切り、安保協力の進展に再び期待感が高まった。ところが、今年8月に豪州内の政変によりモリソン政権が誕生。外務省幹部は「政権が代わっても安保戦略の基本は変わらない。豪州が中国に過度にすり寄ることはない」とみるが、新政権の国防相に潜水艦の受注競争で日本の提案に反対したとされるパイン氏が就くなど、不安要素もある。

日豪の準同盟が停滞し、さらに豪州と米印との溝が深まれば中国を利する結果となる。防衛省幹部は「豪州をなんとしても引きつけておく必要がある」と警戒している。(石鍋圭)


オーストラリアの最大の貿易相手国は中国なので中国にそっぽを向かれるとオーストラリアが干上がるかと言うとそんなに簡単な話でもない。今の経済は世界各国が複雑に絡み合って成立しているので一か所の流れが阻害されると世界経済全体に影響が出る。米国が中国に貿易戦争を仕掛けているのも大幅な輸入超過で関税をかけても耐えられると踏んでいるからだろうが、それでも国内への影響は決して少なくはないだろう。それを甘んじても中国に打撃を与えたいというのが本音ではないだろうか。貿易を戦略的に使用するのは諸刃の剣ではあるので中国としても難しいところだろう。日本も政治的には中国と対立しつつも経済では相互に深い関係を保っている。日米英豪+印は対中同盟の中核なので貿易だけに傾き過ぎずに同盟を維持するようオーストラリアを引き付けておきたいところだろうけど、まあ、オーストラリアもこのライン完全にを離れることはないだろう、・・(^。^)y-.。o○。

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