神埼市千代田町の民家に陸上自衛隊のAH64D戦闘ヘリコプターが墜落した事故は、主翼の羽根4枚を固定する「メインローターヘッド」内部の金属製ボルトが破断し、羽根が分離していた。陸自は、事故発生のメカニズムについては「ほぼ特定できた」とも捉えるが、なぜボルトが破断したのかは不明なままだ。

 東京で28日に会見した事故調査委員会委員長の髙田克樹陸幕副長によると、メインローターヘッド内部は、回転軸と羽根をつなぐ22枚の薄い鋼板をステンレス製のボルト(長さ6センチ、直径7センチ)とナットで締めて隙間なく固定している。離陸後、このボルトに亀裂が入り、鋼板がバラバラになって羽根の1枚が遠心力に耐えられず抜け、350メートル離れた場所に落下した。もう1枚の羽根も操縦席の窓や機体に衝突してねじ切れ、この時点から12~14秒後に墜落したとみられる。

 機体の状態や音声を記録したメンテナンスデータレコーダーを解析した結果、羽根がぶつかって記録が終了したとみられる直前の5秒間に、急激な操作や機体の不具合を示すデータはなく、「通常の飛行状態から突如、事故に至る事象が発生した」と分析。加えて整備員が作業時にボルトに触れていないことから「操作や整備は事故に起因していない」とし、人的ミスはなかったと結論付けた。

 ボルトの破断の原因に関しては、設計上の強度不足なのか、たまたま事故機の部品に問題があったのか、保管状況が影響したのかなどを念頭に、製造元の米ボーイング社の協力を得ながら製造工程や金属の組成などを研究機関に依頼して調査を進めるという。

 陸自は今回と似た事故として、同じAH64型の米軍所有ヘリが2016年に米テキサス州でメインローターヘッド内のナットの破断により、同じメカニズムで主翼が外れて墜落していたと明かした。


こんなことがあるんだなとは思うが、こうなるとどうしてボルトが破断したのかなんてことは高度に専門的な分析をしていかないと分からないだろう。似たような事故が起こっているそうなので強度不足かなとも思うが、ただ、何らかの人為的なミスではなかったことがせめてもの不幸中の幸いではあった。亡くなった搭乗員の方にはお気の毒と言うほかはない。

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