日経BPnet セカンドステージに「くるまのわざ」として連載していたものを再編集して掲載しました。初出は2006年11月23日です。記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。
●「fun to drive」のトヨタが送り出した久々のスポーツ・モデル
歴史を振り返ってみると、得るべくして広く人気を得たクルマもあれば、意欲的なメカニズムを持ちながらも何故か注目を浴びることなく、時流に呑まれてしまったかのようなクルマがあったりする。もっともそれは生産販売において商業的に成功しなかったということだけで、見るべきものがない、ということではない。
トヨタMR2というクルマは、ひょっとするともっとも理想に近い注目すべきスペックだったと思う。クルマの魅力の大きなひとつは、スポーツカーに代表される性能とドライビング・プレジャーの醍醐味であろう。重量配分の点で理想に近い「ミッドシップ・レイアウト」の採用はMR2の最大の特徴だった。そのモデル名のMR2も、ミッドシップ(M)ラナバウト(R)2シーターを意味するのだから。
MR2は、先にモーター・ショーでSV-3として飾られ、待望の中で1984年6月に発売された。待望の中で、というのはトヨタが送り出す久々のスポーツ・モデルであるということ、ショーでの注目度を反映して市販化に移すという、前出のトヨタ・ソアラの手法を繰り返したこと、もちろんその裏付けとして「ミッドシップ」という目新しいレイアウトが採用されていたことがある。この時代のトヨタは、「 fun to drive 」というキャッチを前面に押し出し、市場をリードしていこうという気配が強く感じられた時期で、こうした人気のジャンルに意欲作を投入した印象がある。
●「fun to drive」のトヨタが送り出した久々のスポーツ・モデル
歴史を振り返ってみると、得るべくして広く人気を得たクルマもあれば、意欲的なメカニズムを持ちながらも何故か注目を浴びることなく、時流に呑まれてしまったかのようなクルマがあったりする。もっともそれは生産販売において商業的に成功しなかったということだけで、見るべきものがない、ということではない。
トヨタMR2というクルマは、ひょっとするともっとも理想に近い注目すべきスペックだったと思う。クルマの魅力の大きなひとつは、スポーツカーに代表される性能とドライビング・プレジャーの醍醐味であろう。重量配分の点で理想に近い「ミッドシップ・レイアウト」の採用はMR2の最大の特徴だった。そのモデル名のMR2も、ミッドシップ(M)ラナバウト(R)2シーターを意味するのだから。
MR2は、先にモーター・ショーでSV-3として飾られ、待望の中で1984年6月に発売された。待望の中で、というのはトヨタが送り出す久々のスポーツ・モデルであるということ、ショーでの注目度を反映して市販化に移すという、前出のトヨタ・ソアラの手法を繰り返したこと、もちろんその裏付けとして「ミッドシップ」という目新しいレイアウトが採用されていたことがある。この時代のトヨタは、「 fun to drive 」というキャッチを前面に押し出し、市場をリードしていこうという気配が強く感じられた時期で、こうした人気のジャンルに意欲作を投入した印象がある。
2人乗りと割り切り、コンパクト化に成功
ミッドシップというレイアウトは、ご存知のようにエンジン、ドライヴトレインなどをキャビン直後に置き、乗員とともに重量物をホイールベースの間に配置することで、運動性能の高いクルマを仕立てるというもの。デメリットとして、独自のシャシーが必要なこと、ホイールベースを無条件に長くはできないから、キャビン・スペースやラゲッジ・スペースが不足すること、エンジン等のメカニカル・ノイズと熱、後方視界の制限などが挙げられる。それをひとつひとつ解決するとともに、そういうデメリットを差し引いてもなお魅力的であるためにトヨタの講じた具体策と意欲は新鮮であった。
まずスペースの点は、MR2の場合、2人乗りと割り切ることで多くは解決、ホイールベース2320mm、全長3925mmというコンパクトなサイズに収めることに成功した。むしろドアの切り欠きの角度やサイズに試行錯誤があったという。キャビン直後に、1.6L、DOHCエンジン+ギアボックスを横置き搭載するが、すでに前輪駆動車が主流になっており、そのドライヴ・ユニットの調達は難しい時代ではなかった。
トヨタらしく遮音にも気を使い、グラスウール、アスファルト・シート、厚さ35mmのフェルト・パッドなどで万全を尽くした。むしろエンジン音は魅力のミュージック、などといいた気な大音響のイタリアン・スーパーカーなどとは、やはり目指すものが違うようだ。
こうして、魅力的なスペックで、クルマ好きの若者などにとっては理想のクルマになるであろう、と思われたMR2。専門誌等でも高い評価が与えられた。しかし、当時の別のコラムにこういう記述があった。当時の若者の欲しいクルマ、ホンダCR-X、スカイライン・ターボRS、セリカXXなどというスポーツ・モデルと思いきや、彼らが口にするのはソアラ、セドリック4ドアHT、マークIIハードトップなど。果たせるかな、MR2は注目度、人気はあるものの、若者に大ヒットしたということは聞かないまま、モデルチェンジしてしまった。
この車もなかなかいい車だったよなあ。2Lターボ過給で245馬力を絞り出し、ミッドシップでステアリングバランスもいい。そして凝った作りの車の割には価格も手ごろ、良いことずくめだったんだけど売れないんだよなあ。結局日本人て「いいんだけどやっぱり5人乗れた方がいいとか、もうちょっと荷物を詰めた方がいい」とか、あれこれ加えるんでただ走ることを楽しむ車ってダメなんだよな。だからハイパワーセダンとかワゴンが売れる。あるいはハイパワー走るプレハブ物置とか、・・。でも家庭を持って子供がいたら絶対に無理だよな、2シーターなんて、・・。軽でもハイトワゴン全盛で2シーターなんか売れないものなあ。でも乗ってみるとコペンも非常に面白い車なんだけどねえ。トヨタも今になって怒涛のようにスポーツカーを出そうとしているようだけどセリカでもMR2でも売れなくても細々で良いから作り続けてくれればいつかは買えたんだけどねえ。でもあの車、2番目に乗ってみたい車ではあったけど、1番は断然セリカGT-FOURだけど、・・。でもMR2、かなりのじゃじゃ馬だったという話もあったなあ、・・(^。^)y-.。o○。
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