F-22+F-35=?
2018年4月20日、航空自衛隊が配備するF-2戦闘機の後継機計画において、アメリカのロッキード・マーチン社が同社製のF-22「ラプター」およびF-35「ライトニングII」、両ステルス戦闘機を土台とする次世代機の開発を日本政府へ打診したと、一部メディアが報じました。本件はあくまでもF-2後継機の在り方のひとつとして提案されたものであり、実現を目指した具体的な計画ではありません。

しかしながら、戦闘機の常識を塗り替えてしまうほどの圧倒的な情報収集能力および共有能力を持つF-35と、飛行性能の面においてはほかの追随を許さないF-22の組み合わせとなる「ハイブリッド案」は、理想的な高性能機をしかも手っ取り早く実現できるのではないかと大きな話題を集めているようです。ハイブリッド案は恐らくF-35のシステムをF-22に載せるという形で行うことを想定しているものと思われます。しかしながら実際はそう簡単にいかないかもしれません。なぜならば、F-35が搭載する情報処理システムは「ワンオフ」であり、F-35以外の機種への搭載を目的として設計されたものではないためです。
ネックになるのはソフトウェア
たとえばF-35に搭載されている、相手のレーダー電波を逆探知する「レーダー警戒受信機」は、電波情報を解析することで機種やミサイルの種別、方角などを判別することができますが、レーダー電波をとらえるアンテナは主翼や尾翼の縁を中心に10か所以上配置されており、それぞれのアンテナで感知した電波のわずかな差から発信源の方角を割り出しています。
F-22はF-35とまったく別の設計を持った機種であるため、当然レーダー警戒受信機のアンテナも同じ位置に配置することはできません。したがって、電波情報を解析するためのソフトウェアは完全にゼロから作り直さなければなりません。そして現代戦闘機の開発は、機体そのものはさることながら、こうしたソフトウェア開発がより難度が高く、多くの作業工数と費用を必要とします。

F-35は機体全周囲に設置した赤外線センサー「EO-DAS」によって全球覆域状況認識・防御を実現しており、また赤外線センサーは映像も取得が可能で、ヘルメットのバイザーに投映することで足元すら透かして見ることを可能とします。EO-DASはF-35の高度な情報収集能力を象徴する機能となっていますが、各センサーから得た情報の結合が難しく、F-35の開発が遅延する大きな要因となりました。もしF-22にEO-DASと同等の能力を与えるとするならば、これもまたゼロからソフトウェアを構築しなくてはなりません。他にも機首部に搭載されるレーダーをF-35と同じものに換装したとしてもF-22とF-35ではレーダーを覆う「レドーム」の形状は異なり電波への干渉の仕方も異なりますし、F-35のソフトウェアはほとんど流用することができないでしょう。
メリットがなくはないけれども…?
以上のように「F-35の情報処理能力をF-22に与える」という作業は言うほど単純ではなく戦闘には直接関係しない生命維持のための環境制御システムなどに至るまでありとあらゆるシステムをほとんど完全に作り直すことに等しいと言えます。またF-35は今後、おそらく22世紀に至るまで継続してソフトウェアのアップグレードが行われ、10年、20年後にはほとんど別の機種に近いほど性能を向上させるはずです。F-22に搭載されたF-35のシステムはその恩恵を完全に受けることは難しいかもしれません。F-22の卓越した飛行性能は魅力的かもしれませんが、F-35とF-22の飛行性能の差を埋めるためだけに完全に1機種開発するコストを投じ、そして性能向上の主流から外れるデメリットを受け入れられるのかどうかが、この「ハイブリッド案」を評価するための主眼点となるでしょう。
ただ、これはあくまでもF-35と比較した場合の話であり、新規に開発する案との比較であれば、実証済みのハードウェアと、わずかでもソフトウェアを流用できるメリットは小さいとは言えないかもしれません。
既存の機体の焼き直しと言うのは所詮間に合わせでしかない。F2にしても日米貿易摩擦の人身御供にされて開発費は日本持ち、仕事は40%取られる、新技術は移転させられる、向こうの技術は移転を拒否されるで踏んだり蹴ったりだった。どうせああだこうだと予算が膨らんで新規開発と変わらないくらいの金がかかるなら新たに機体を作った方がいいだろう。開発費に1兆5千億と言ってもすそ野の広い航空機産業で新規技術の移転もあるんだから安いものだろう。改造開発だってただじゃないしねえ。パートナーはBAEかノースロップグラマン辺りがいいんじゃないか。YF23なんかけっこう空自の要求する戦闘機の性能に近いと思うけどねえ。おっとこれも改造開発か。新規でやれよ、新規で、・・(^。^)y-.。o○。
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