「自動ブレーキは欲しいけど、自動運転はいらない」だと!?
世界中の自動車メーカーが自動運転技術の開発を競い、日本政府も2020年までの自動運転の実現を掲げている一方で、アメリカではウーバー社の自動運転車による死亡事故が発生するなど、世は自動運転を巡ってかまびすしい。

実際のところ、我々ユーザーの意識はどうなのか?先日、日本自動車工業会が発表した乗用車市場動向調査(2017年度版)には、「先進安全技術の装着意向」ならびに、「自動運転車に対する意識」なる調査項目もあった。その結果が、実に興味深かった。ぶっちゃけ、「自動ブレーキは欲しいけど、自動運転はいらない」というものだったからだ!
自動ブレーキ系の先進安全技術を装着したい人は5割前後
まず自動ブレーキ系の先進安全技術についてだが、「装着したい」という回答が多かった装備を順に挙げると、このようになる。
1位 いわゆる普通の自動ブレーキ/55%
2位 歩行者等に対する自動ブレーキ/52%
3位 誤発進(踏み間違い)防止システム/50%

続く4位は、バック時の自動ブレーキ(41%)。どれも、誰もがやってしまいそうなケアレスミスを抑止してくれる装置だ。これらを欲しいと思う人の割合が5割前後というのは、個人的には「意外と少ないなァ」と感じるが、事故は災害同様、起きてみないと実感できないということだろう。

一方で、ロングドライブでラクチンなアダプティブクルーズコントロール(前走車追従機能付きクルーズコントロール)は、31%と要望度が低かった。
関心はあるけれど欲しくはない・・!?
では、自動運転に対する意識は、というと、「関心がある」が44%/「関心がない」が28%で、関心がある人が多数を占めた。しかしその中身を詳しく見ると、愕然とする。クルマを持っている人に、「どんなレベルの自動運転を望むか」と聞いたところ、トップは「自動運転は望まない」の34%! ど、どういうこと? 「関心はあるけれど欲しくはない」ということか?
2位が「アクセル、ブレーキ、ハンドルを切る動作のどれかひとつを車がやってくれる」で25%。3位が「すべてをシステムがやってくれるが、いざという時はドライバーが対応する」で19%、4位が「操作のうち複数を車がやってくれる」で14%。この3つは、進化型のアダプティブクルーズコントロールなら、すでに実現させていると言っていい。

われわれ自動車メディア関係者は、「自動運転」と言えば、主にレベル4の完全自動運転のことを思い浮かべるが、そこまで望んでいる人は、わずか8%に過ぎなかった!
一般ドライバーにとっては、アダブティブクルーズコントロールも間違いなく自動運転の一種だが、それすらあまり望まれておらず、完全自動運転まで求めている人は、極めて少数派だったのだ。
運送業界などでは自動運転を切実に望んでいるが・・・
考えてみれば、免許がない人を除けば、「事故さえ防いでくれればそれでいい」と思うのが自然かもしれない。仮に事故を100%防いでくれるクルマが登場すれば、運転がどんなにヨタヨタしようと、どんなにヘタクソでも、大丈夫といえば大丈夫なのだから。日本で自動運転を切実に望んでいるのは、運送業界など人手不足に悩む業界の方で、一般ドライバーの意識は、実はかなり醒めているのでした……。

完全自動運転車両と言うとこれまでの自動車とは全く違うジャンルの乗り物で人が運転する車と機械が制御して機械によって運行される車、いわゆる「走るロボット」なので両者を同列で比較するのは無理があると思う。またそうした完全自動運転の車が普及したら何も車を所有する必要もなくなるんじゃないだろうか。スマホで呼べば指定の時間にやってきて目的地まで送り届けてくれて勝手に帰って行く。免許もいらない。車を移動の手段と思っている人は完全自動運転に流れていくだろうし、少しでも車を自分で操って走りたいと思っている人はそれなりの自動運転レベルで満足するだろう。完全自動運転の車と言うのは「ロボットコミューター」で単なる移動手段であり、電車・バス・タクシーの類で今の車のジャンルとは違うジャンルに属する。比較しても意味がない。

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