光人社NF文庫「戦場に現れなかった戦闘機」と言う本を暇つぶしに読んでみた。さすがに米国は大量の戦闘機を試作している。戦場に出てこなかった理由は駄作だったからと時期が遅れて戦争が終わってしまったから、この両方のようだ。
F8F「ベアキャット」、P82「ツインムスタング」などは典型的な後者だろう。英国も意欲的な機体を作っているが、1944年以降の機体の速度は700キロ以上でとにかく速い。800キロを超えるものもある。英国のホーカーシーフューリーなどは朝鮮戦争でMiG15を撃墜しているそうだ。ドイツはメッサーシュミットとフォッケウルフの改良型だが、これらも700キロを超えている。
日本は海軍が、烈風、震電、陣雷、天雷、電光、陸軍がキ83、キ94、キ87、キ96、キ98などだが、日本の戦闘機は致命的に速度が遅い。時速で100キロ以上も違うと勝負にならないだろう。天雷、キ83以外はまともに飛んでいないが、キ83が680キロを出しただけでほとんどが600キロをやっと超えた程度では700キロを超える戦闘機に一撃離脱をかけられたら勝負にならないだろう。もっとも紫電改や疾風などはP51やP47と結構渡り合っているから空戦は速度だけでは決まらないのだろうが、・・。
戦時は2年、平時でも4,5年で機種変更だから、いずれにしても紫電や疾風、そして烈風などは昭和18年ころには登場していないといけない機種ではある。早ければガダルカナル争奪戦の後半、遅くてもマリアナ沖海戦ころには艦戦の主力は烈風あるいは紫電改5、局戦の主力は天雷と言う具合に、零戦が昭和16年、烈風、紫電などが18年、そして20年はジェットも含めたその次の世代と言う具合でないと話にならない。
戦後、米軍で試験をしたら紫電や疾風、彩雲などは600キロ台の後半、キ83に至っては760キロも出たというのだから燃料さえよければと言うが、燃料も戦力だし、その良質な燃料が国内で生産できずに米国から買っていたのにその米国にケンカを売るという神経が理解ができない。昭和20年の戦闘機の布陣が海軍の制空戦闘機は烈風(あるいは紫電改5)、対爆撃機用が震電、陸軍の制空戦闘機は疾風改、対爆撃機用はキ94Ⅱと言う布陣でも多少B29や米軍の戦闘機の被害が増加した程度で勝てる目はなかっただろうけど、・・(^。^)y-.。o○。
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