僕は社長と一緒にメガバンクの頭取室を出て社長の車で社に戻った。社長も負担をかけると繰り返していたが、そもそも採用の時に知的美人を推薦した僕らにも一端の責任はあるのだから、まあこれは痛み分けと言うところだろうか。
社に戻ると女土方は「お疲れさま」とだけ一言言っただけであとは何も言わなかった。何も聞かないのかと言うと「だって引き受けたんでしょう。あなたはそう言う人よ。それでいいの。みんなのためだから。」そう言って笑った。
人をスカスカ叩きまくって行かせてそれで良いも何もないだろう。部屋を見まわしたが、クレヨンの姿が見当たらなかった。あの極楽とんぼだから人の苦労も知らないでその辺をフラフラしているんだろう。
「ねえ、彼女が来るとこれまでの生活が相当に変わると思うけど誤解だけはしないでね。彼女がどう出るかも分からないし、・・。で、何時から来るの、彼女は、・・。」
女土方はちょっと驚いた顔をして僕を見た。
「そんなこと話してきたんじゃないの。」
「いえ、何もなかったわ」
女土方は、「そんなバカな、」と言う顔つきで黙ってしまった。僕は受話器を取って社長室に電話をかけた。北政所様が出たので知的美人は何時から来るのか社長に聞いてくれと頼むと「あら、聞いていなかったの。今日からよ。よろしくね」といとも簡単にあっけらかんと言い放った。そう言えば知的美人の姿が見えなかった。
「今頃はもうあの部屋は引き払って澤本社長の自宅に行っていると思うわ。社長もあなたが引き受けてくれてとても喜んでいたわ。よろしくね。」
北政所様はそれだけ言うと電話を切ってしまった。くそぉ、どいつもこいつも人に丸投げしやがって。
「ねえ、今日からだって。彼女が来るの。」
僕は女土方の方を向き直ってそう言うと女土方がちょっと視線を逸らせた。
「ねえ、私、あなたのこと決して誤解したりしないわ。だからね、私のことも誤解しないでほしいの。あのね、実はね、しばらく部屋を替わってやってほしいというので承知しちゃったのよ。だから、ええと、その、・・しばらくの間、私、あなたから引くことにしちゃったの。もちろん、あの家にはいるわよ。ほかに行くところもないし、・・。でもしばらくは同居じゃなくなっちゃうかも。」
なんだか僕の知らないところで物事は着々と進行しているようだ。一体どうなっているんだ。僕は女土方に歩み寄ると彼女のおっぱいを思い切り鷲掴みにしてやった。女土方は一瞬体を強張らせたが、特に抗うことはしなかった。
そして抱き寄せるとスカートに手を入れて思い切りケツの肉をつかんでやった。女のおっぱいなんてあれは育児器官で性行為の対象ではないと思っているので基本的に興味はないが、今回のことの中心にいる僕を置き去りにして勝手に動いている周囲に対する感情を女土方にぶつけてしまったのかもしれない。
女土方はされるがままにしていたが目だけは僕を見つめていた。そして最後に思いきり女土方を抱きしめて「好き」と一言言ってから手を放した。女土方は僕をそっと押して離れると「あなたって本当に男みたいなことをするときがあるのよね」と言って笑った。
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