日銀は9日の金融政策決定会合で、短期金利をマイナス0.1%、長期金利(10年物国債の流通利回り)を0%程度に操作する現行の金融緩和策(長短金利操作)の維持を賛成多数で決めた。4月8日に任期満了となる黒田東彦総裁にとって今任期中の最後の決定会合だったが、無風に終わった。政府は黒田総裁続投を決めたが、日銀の手詰まり感は強く、金融正常化は全く見通せない状況だ。【坂井隆之】
「この5年間で日本経済は大きく改善した。今後とも、(2%の)物価安定目標の実現にしっかり取り組んでいく」。黒田氏は決定会合後の記者会見で、次の任期(5年間)への意欲を表明。「物価目標に向けた勢いが維持されていないなら当然、追加緩和を検討する」と強調した。
だが、日銀内は「待ち」の空気が支配し、追加緩和に踏み込んでまで2%達成を急ごうとする声はほとんど無い。13年の黒田総裁就任後の5年間で日銀の資金供給量は約3.5倍に膨らんだが、物価はほとんど上がっていない。政策決定会合のメンバーの大半は更なる追加緩和の効果に懐疑的だ。
むしろ歴史的な超低金利の長期化で金融機関の経営が急速に悪化。「これ以上の金利低下は金融機関の経営をおかしくし、かえって貸し出しを減少させかねない」との見方がほぼ共通認識となっている。
このため、現行の緩和策を維持して景気刺激を続け、消費者物価上昇率が2%に近づくのを待つのが基本戦略だ。好調な海外経済を追い風に国内の雇用・賃金情勢は改善し続けている。市場では「生鮮食品とエネルギーを除いた物価上昇率(今年1月は0.4%)が1%を超えてくれば、長期金利目標引き上げなど正常化を探る余地が出てくるのでは」との見方もある。
だが、長期金利引き上げが、市場で「金融引き締め」と受け止められれば、急激な円高や株安を招くリスクがある。実際、黒田氏が総裁再任に向けた2日の衆院での所信聴取で19年度の2%目標実現を前提に「そのころに出口を議論しているのは間違いない」と発言すると、市場で一時、急速な円高が進んだ。それに懲りたのか、黒田氏は9日の会見では「2%達成前に金融緩和の程度を弱めることは全く考えていない」と早期の緩和縮小観測打ち消しに躍起だった。三井住友アセットマネジメントの吉川雅幸チーフマクロストラテジストは「米国の保護主義懸念なども影響して為替がやや円高基調にある中では日銀は動けない。(長期金利目標引き上げなどは)18年度いっぱいは難しいだろう」と見ている。
「この5年間で日本経済は大きく改善した。今後とも、(2%の)物価安定目標の実現にしっかり取り組んでいく」。黒田氏は決定会合後の記者会見で、次の任期(5年間)への意欲を表明。「物価目標に向けた勢いが維持されていないなら当然、追加緩和を検討する」と強調した。
だが、日銀内は「待ち」の空気が支配し、追加緩和に踏み込んでまで2%達成を急ごうとする声はほとんど無い。13年の黒田総裁就任後の5年間で日銀の資金供給量は約3.5倍に膨らんだが、物価はほとんど上がっていない。政策決定会合のメンバーの大半は更なる追加緩和の効果に懐疑的だ。
むしろ歴史的な超低金利の長期化で金融機関の経営が急速に悪化。「これ以上の金利低下は金融機関の経営をおかしくし、かえって貸し出しを減少させかねない」との見方がほぼ共通認識となっている。
このため、現行の緩和策を維持して景気刺激を続け、消費者物価上昇率が2%に近づくのを待つのが基本戦略だ。好調な海外経済を追い風に国内の雇用・賃金情勢は改善し続けている。市場では「生鮮食品とエネルギーを除いた物価上昇率(今年1月は0.4%)が1%を超えてくれば、長期金利目標引き上げなど正常化を探る余地が出てくるのでは」との見方もある。
だが、長期金利引き上げが、市場で「金融引き締め」と受け止められれば、急激な円高や株安を招くリスクがある。実際、黒田氏が総裁再任に向けた2日の衆院での所信聴取で19年度の2%目標実現を前提に「そのころに出口を議論しているのは間違いない」と発言すると、市場で一時、急速な円高が進んだ。それに懲りたのか、黒田氏は9日の会見では「2%達成前に金融緩和の程度を弱めることは全く考えていない」と早期の緩和縮小観測打ち消しに躍起だった。三井住友アセットマネジメントの吉川雅幸チーフマクロストラテジストは「米国の保護主義懸念なども影響して為替がやや円高基調にある中では日銀は動けない。(長期金利目標引き上げなどは)18年度いっぱいは難しいだろう」と見ている。
金が回らないのは国民が将来に不安を持っているからでこれは一般国民も企業も変わりはない。そんな状況で預金の金利をいくらいじっても世の中に金が回ることはない。却って銀行の経営体力を弱めて新たな社会不安を作るのが関の山だろう。今の日銀を見ていると本当に無策だと思う。バブル崩壊から30年が経つが、その間の舵取りを間違ってしまった日本ではなかなか経済の負の連鎖を切って捨てるのは難しいだろう。日銀も見ているとたまに突飛なことはするが、全般に無策と言う気がしないでもない。しかし、落ちたりとはいえ、世界第3位の経済大国、世界中の投資家が鵜の目鷹の目で狙っているので経済政策もなかなか難しそうではある、・・(^。^)y-.。o○。
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