4日の沖縄県名護市長選で、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設を容認する立場だった元市議渡具知武豊氏が勝利し、移設に反対する民意の「原点」(翁長雄志知事)が揺らいだ。政府は移設を強力に進める構えで、移設阻止を掲げる翁長氏ら「オール沖縄」は秋の知事選に向け、態勢の立て直しを迫られている。

◇政権したたか
「いやあ、沖縄の風向きも変わったね」。安倍晋三首相は4日夜、8年ぶりの市政奪還が確実になったことを知ると、渡具知氏の陣営関係者に電話し、満足そうに語った。日米同盟を最重要視する安倍政権にとって20年来の懸案である移設進展は至上命令だ。政権は昨年4月、地元の反対を押し切る形で護岸建設に着手。市民の間に「政府には勝てない」(50代男性)との諦めムードが広がったことが渡具知氏の最大の勝因とみられる。

政府・自民党はしたたかだった。市長選を見越して、昨年の衆院選では比例代表で公明党への投票を市内で呼び掛けて貸しをつくり、前回自主投票の同党から推薦を取り付けた。辺野古移設に反対する同党県本部に配慮し、渡具知氏は移設容認を封印。経済振興を中心に訴えたことも奏功したようだ。

自民党は人気弁士の小泉進次郎筆頭副幹事長を2回にわたって投入した。一方、二階俊博幹事長ら党三役を先頭に「100人超」(関係者)の国会議員が沖縄入りし、企業・団体にてこ入れするなど組織選挙を展開。投票総数の57%超に達した期日前投票はその徹底ぶりをうかがわせた。

◇知事選へ布石
与党の勝利で移設への障害がなくなったわけではない。しかし、政府は「移設へ弾みがついた」(防衛省関係者)と重視しており、護岸で囲った中に土砂を投入する埋め立て工事を今夏にも始める方針だ。最大の焦点は知事選。「名護市長選は知事選で勝つための布石」(政府関係者)で、政府・自民党は勢いを維持したまま翁長氏再選を阻み、移設期限の「2022年度またはその後」に向けて工事を一気に進める青写真を描く。

首相は5日、記者団に辺野古移設について「最高裁判決に従って進めたい」と表明。同時に「新市長の公約は責任を持って応援したい」と述べ、振興予算を振り向ける考えも示した。政府と協調する利点をアピールする狙いが透ける。

◇翁長氏判断が焦点
「民意は生きている」。翁長氏は5日、記者団に市長選の結果にかかわらず、辺野古移設反対の立場を堅持する考えを訴えた。「市長選では辺野古が明確な争点に上がったわけではなかった。首相が胸を張って言える民意ではない」とも述べた。だが、前途は多難だ。翁長氏は3月に那覇地裁で判決予定の移設工事差し止め訴訟で敗訴した場合でも、埋め立て承認を「撤回」する案を温めてきた。県民投票を実施し、移設反対の民意を明確に示すことも検討していた。だが、移設先の「民意」が示されたことにより、こうした選択肢は取りにくくなったとの見方も出ている。

翁長氏自身、市長選前に「名護で負ければ知事選には出られない」と漏らしていた経緯があり、周辺では「出馬を断念するのではないか」と危ぶむ声も出ている。オール沖縄に参加する保守系メンバーの一人は「翁長氏が出なければオール沖縄と距離を置く。オール沖縄は崩壊だ」と語った。


辺野古移設反対だけでは飯は食えないからなあ。それに、「じゃあ普天間はどうなるんだ。」と言うことにもなる。軍隊と言うのは危険なことも敢えてやらないと仕事にはならない。その軍隊の基地が市街地にあって危険を避けるために設けた緩衝地帯にまで住宅や小学校が入り組んでいるのであれば郊外に移設せざるを得ないだろう。移設反対も結局のところイデオロギーだろう。また自然を破壊するのはとんでもないというし、それももっともだが、人間が手を入れなくなれば自然はあっという間に現状を回復する。1万年で人間が作ったものはほぼこの世から消え去るそうだ。自然は強かではある、・・(^。^)y-.。o○。

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