馬力とトルクと言うのは両方ともエンジンが発生させる力なのだが、その性格は大きく異なるそうだ。1馬力と言うのは仕事量で75キログラムのものを毎秒1メーター動かすのに必要な力、トルク1キログラムと言うのは固定された回転軸から1メーターのところに1キログラムの重りをつけてこれを毎秒1メーター動かす力、要するに馬力が大きければ大きいほど早く遠くに荷物を運ぶことが出来る。またトルクが大きければ大きいほどクランク軸を回す力が大きくなるので加速が良くなる。


例えば四輪にしてもバイクにしても高速で走り続けさせる力が馬力、ある一定の速度まで到達させる力がトルクと言うことになる。最高速と言うのは馬力によって決まるし、加速力と言うのはトルクで決まると言うことになる。0-100で100キロまで到達させる力がトルク、100キロの速度を維持する力が馬力と、こういうことになる。


それでは速い車と言うのは馬力が大きい車なのかトルクが大きい車なのかと言うことになるが、レーシングカーやレーシングバイクでは高速を維持して走る必要があるのでトルクはもちろんだが、馬力がないと話にならない。だからサーキットなどで速いバイク、四輪と言うと馬力の大きいものと言うことになる。


ところが一般道で日常使うバイクや四輪になるとちょっと事情が異なる。高速も含めて通常の公道では出し得る速度はまあ140キロ程度だろう。そうするとその速度に達するまでの時間が短いバイクや四輪の方が速いと感じる。要するにトルクの大きい方が速いと感じるバイクあるいは四輪と言うことになる。それは平地だろうが山坂道だろうがアクセルを開ければぐんぐん加速していくバイクや四輪を速いと感じるだろう。


ぼくのCB1300スーパーボルドールも最高速と言えば1×0キロをちょっと上回るくらいしか出したことはない。それも追い越し加速中につい到達してしまって「おっとっと、・・」と言う感じでアクセルを緩めてしまっただけで通常は90キロから110キロほどで走っている。その程度の速度は四輪でもさほどの世界なので最高速に限って言えばCB1300スーパーボルドールもそうそう速いと思ったことはない。


ところが加速となるとこれはもう四輪などの比ではない。一、二の三、それ!!でアクセルを開けて「うわ、はや、・・。」と思うのは加速をするときで、バイクの加速と言うのはそれはもう四輪など問題ではないほとんど異次元の加速ではある。レースに使うなら何より馬力の大きいバイクまたは四輪でないと話にならないが、日常一般公道で使うなら馬力よりもトルクの大きな方が速いと実感できるだろう。大型のトレーラートラックなど荷台を外すと400馬力、200キロのトルクなのでとんでもない加速をするらしい。


三本御大も「パワーは麻薬のようなものでいくらあってもこれでいいということはない、・・。」とか言っている。確かに大型バイクの胸のすくような加速は他では味わえない快感ではある。でもまあそれよりも何よりも安全運転第一で余裕を持って走ろう、・・(^。^)y-.。o○。

ちなみに成人男子が出せる力は瞬間で0.3馬力、持続では0.1馬力程度だそうだ。原チャリが4馬力とか5馬力だからあんなヤクルトの容器よりも小さなシリンダーで成人男子15人分以上の力を出すんだねえ。原チャリ、恐るべし、・・(^。^)y-.。o○。

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