トヨタ自動車がマツダとの資本提携に踏み切るのは提携関係にある自陣営を拡充し、電気自動車(EV)や自動運転など競争の激しい先端分野での勝ち残りにつなげる狙いがある。EVでは中国勢が台頭し、自動運転分野ではITなどの異業種が参入。トヨタといえども対応を誤れば世界上位グループからいつ転落してもおかしくなく、将来への強い危機感がマツダとの資本提携に駆り立てた。 (今井裕治)
「海図なき、前例のない戦いが始まっている」
トヨタの豊田章男社長は4日の記者会見で、先端分野をめぐる競争激化に強い警戒感を示した。
「海図なき、前例のない戦いが始まっている」
トヨタの豊田章男社長は4日の記者会見で、先端分野をめぐる競争激化に強い警戒感を示した。
環境対応車をめぐり、ハイブリッド車(HV)で圧勝したトヨタも、EVへの対応では日産自動車や米テスラに後れを取った。水素で走る燃料電池車をエコカーの本命と位置づけ、資源を集中させたためだ。
トヨタの見立ては外れ、エコカー市場ではEVが急速に主流となりつつある。中国やインドはEVの優遇策を進め、フランスと英国も2040年に石油燃料車の販売を禁止し、EVの普及に取り組む方針を打ち出した。EV対応の強化はトヨタにとって喫緊の課題で、テコ入れが急務となっている。
自動運転も同様だ。トヨタも高い技術力を持つベンチャー企業の買収などを急ぐが、豊田社長は「米グーグルなど全く新しい業態が登場している」と指摘した。
新旧勢力を交えた激しい競争環境の中でトヨタが取り組むのが「新しい仲間を広く求め、協力する」(豊田社長)戦略だ。既にSUBARU(スバル)に出資し、ダイハツ工業は完全子会社化。スズキとも提携を検討している。
各社が持つ得意技術をトヨタがまとめ役となって集約すれば効率的に先端技術を強化できる。環境対応車や自動運転で提携先と連携して開発した技術を各社の車両に搭載すれば、規模の力で技術の「事実上の標準化」につなげられ競争を優位に進められる。激変する自動車業界での勝ち残りに向け正念場はこれからだ。
HVや燃料電池車というのは非常に高度な技術を必要とする。トヨタはそうした高度な技術を集積して他社との差別化を図ろうとしたんじゃないか。EVというのは極端なことを言えばモーターとバッテリーがあれば町工場でもどこでも作れる。他業種からの参入も容易だ。欠点としては航続距離の問題と充電ポイント、そして時間だろうか。それにしても自動車の本家本元の英仏が2040年までに内燃機関車両の販売を禁止すると言う決定は相当にショッキングだっただろう。パッケージングの問題はあるが、電池式EVそれ自体は電池以外はそう難しくもないだろうけど充電の問題があるからなあ。それなりに時間もかかるし、インフラの整備もある。電池パックを規格化してスタンドで電池パックごと差し替えてしまうと言うのも手かもしれないが、それで統一するのも難しいだろう。自動車業界もEVへの方向性は見えてきたが、その技術がどうなるのかねえ。以前、トヨタはEVが普及すると電機メーカーなどが車のプライムになって自動車メーカーは下請けの単なる組み立て企業に落ちぶれてしまうなどと言う危機感を持っていたようだが、当時は、「そんなバカな、・・。」と一笑に付すようなことが現実味を帯びてきているのかもしれない。
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