◇審議入りから26日で1週間 「法相隠し」と野党反発
「共謀罪」の要件を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案の審議入りから26日で1週間たった。金田勝年法相の答弁を不安視する与党は法務省刑事局長を代役に立てる戦術で、野党は「法相隠し」と反発している。責任者の法相と官僚の「主従逆転」で進む審議に問題はないのか。
「共謀罪」の要件を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案の審議入りから26日で1週間たった。金田勝年法相の答弁を不安視する与党は法務省刑事局長を代役に立てる戦術で、野党は「法相隠し」と反発している。責任者の法相と官僚の「主従逆転」で進む審議に問題はないのか。
改正案の衆院法務委員会での実質審議は26日までに2日間行われた。新たな刑罰を設ける重要法案としては、2013年に成立した特定秘密保護法と似ている。両者の審議のあり方を比べてみると、今回の異例ぶりが浮き彫りになる。
19、21両日の審議で金田法相が答弁したのは94回で、全体(356回)の3割に満たない。これに対し、法務省の林真琴刑事局長は最多の約4割に当たる135回。犯罪を事前に計画・合意し、実行準備行為をした段階で「テロ等準備罪」で罰する改正案には監視社会につながる懸念があり、野党も徹底審議の構えだが、法相を脇に置いた「官僚主導」の答弁が続いている。
一方、特定秘密保護法を審議した衆院国家安全保障特別委員会は、政府案に関する答弁は同じ当初の2日間で150回。このうち当時の森雅子担当相は半分の75回で、補佐役の内閣官房審議官は44回だった。
金田法相の答弁が少ないのは、与党主導で林刑事局長の常時招致を議決するという異例の対応に出たためだ。しかも、答弁者を原則、閣僚など政治家に限定した1999年の国会活性化法の施行以来、全会一致ではなく議決で招致を決めたのは初めて。憲法は閣僚に「答弁または説明」を求められた時の国会出席を義務づけており、野党は答弁の肩代わりを「答弁義務の回避」と批判している。
改正案の提出前、金田法相はテロ等準備罪について「法案の成案を得た段階で説明したい」と連発。与党内で答弁能力に疑念が高まり、刑事局長の常時招致につながった。
異例なのは答弁数だけではない。19日の法務委では法相への質問に林刑事局長が答え、その後に金田法相がほぼ同じ内容を繰り返す場面があり、質問者の藤野保史氏(共産)が「率直に言って同じ答弁だ。時間の無駄だ」と反発した。
政治評論家の森田実さん(84)は「法案の責任者として法相がきちんと説明すべきだ。国会や国民に説明できないような法案を多数で押し切ろうとする政府・与党のやり方は理性を失っている」と批判した。
法務省刑事局の担当者とタメ口で話していたら東京高検の検事さんと聞いて「えっ」と思ったことがあった。あそこはそうした手合いがゴロゴロしているんだから大臣が「勉強会をしてくれ」と言えばだれも嫌とは言わずに教えてくれるだろう。大臣は大筋を押さえていればいい。細かい各論は官僚が対応すればそれで済む。法治国家の法務大臣なんだから怪しげな答弁を繰り返していないでそのくらいの勉強はすべきだろう。だからガソリーヌになめられる。
日本ブログ村へ(↓)