政府は来週にも、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先とする同県名護市辺野古の沿岸部を埋め立てる護岸工事に着手する方針を固めた。辺野古での埋め立て工事は初めて。1996年の日米両政府による普天間返還合意から21年を経て、移設計画は大きな節目を迎える。

 
複数の政府関係者が明らかにした。護岸工事は辺野古の埋め立て予定地を囲む堤防を造るもので、新たに建設する飛行場の一部になる。大量の石材などが海底に投じられ、原状回復は困難になる。政府は今年度内にも堤防の内側に土砂を投入する本格的な埋め立てを始める予定で、向こう5年間で工事完了を目指す。

 
防衛省沖縄防衛局は14日までに、現場海域で埋め立ての土砂が広がるのを防ぐ「汚濁防止膜」の設置工事を終え、護岸工事の準備を整えた。稲田朋美防衛相が来週末に沖縄県を訪問し、翁長雄志(おながたけし)知事に着工を伝えることも検討する。ただ、現地の気象条件などにより、着工開始が月末にずれ込む可能性もある。

 
現場海域の周辺では14日、台船や大型作業船が停泊し、沿岸の浜辺にはクレーン車が配置されていた。基地のゲート前では反対派の市民らが朝から座り込み、「基地を造るな」と抗議の声を上げた。

 
普天間の移設計画をめぐり、安倍政権は2013年12月、仲井真弘多(ひろかず)・前知事から辺野古の埋め立て承認を取りつけたが、14年12月に「移設阻止」を掲げた翁長県政が誕生。翁長氏は15年10月に埋め立て承認を取り消す一方、政府は埋め立て予定地に隣接する陸上部で作業場の整備工事を開始。その後、政府と県は埋め立てをめぐる訴訟合戦に突入して工事は中断したが、昨年12月に国の勝訴が確定して再開された。

 
翁長氏は、辺野古での埋め立て工事に必要な岩礁破砕許可の期限が今年3月末に切れていると主張しており、工事差し止め訴訟のほか、前知事が出した埋め立て承認の撤回も検討している。今後、翁長氏が打ち出す対抗策が焦点となる。(岩尾真宏、山下龍一)


政府間合意から21年、この先、順調に代替施設が出来て移転するには四半世紀以上も要するのか。基地などない方が良いのだし、軍隊そのもが必要悪かもしれないが、人間が歩んできた歴史を見ればこの先も軍事力がなくなるとは思えない。現に今この時も日本は戦争の危機にさらされている。沖縄の米軍基地負担と言うが、神奈川にも横須賀など巨大基地が数多くあり事件や事故、それに伴う様々な問題が発生している。青森、東京、静岡、山口、長崎なども同様だろう。神奈川に米軍基地が多いのは日本の首都東京に睨みを効かせるため、沖縄に基地が多いのはその戦略上の地理的な理由のためだろう。しかし、戦後70年が過ぎて様々な状況も変化しているので再編は可能だろうが、空軍基地である嘉手納と海兵隊関連施設、そして普天間に代わる海兵隊用の航空基地、これだけは残したいだろう。最近の東アジアの情勢を見てもこの程度の基地はやむを得ないだろう。あまりわんわんキャンキャン争わずに今後はことが円滑に運ぶといいのだが、・・。


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