学校法人「森友学園」の国有地売却問題をめぐり、安倍晋三首相夫人の昭恵氏による関与の有無が焦点に浮上した。野党は理事長退任を表明した籠池泰典氏の証人喚問での証言に基づき、同氏や妻と昭恵氏の「親交」をあぶり出し、政権を揺さぶりたい考え。これに対し、政府・与党は双方の間で交わされたメールやファクスなど「物証」を矢継ぎ早に公表し、懸命に火消しを図った。
◇「物証」を次々公表
首相は先月17日の衆院予算委員会で、国有地売却について「関係していたとなれば、首相も国会議員も辞める」と断言している。24日の参院予算委では「私も妻も、事務所も全く関与していない。そのことは明確に申し上げたい」と述べ、自身や昭恵氏が無関係であると改めて強調した。
23日の証人喚問で、籠池氏は昭恵氏から100万円の寄付金をもらい、逆に講演料として10万円を渡したと証言。昭恵氏から籠池氏の妻に対し、「口止めとも取れるメールが届いた」と主張した。国有地の借地契約について昭恵氏に相談し、財務省への問い合わせ結果を昭恵氏付の政府職員からファクスで受け取ったことも明らかにした。
政府高官は「籠池氏の言い分はうそ、でたらめばかりだ」と猛反発。「第三者的な立場で(事実を)明らかにできる」(菅義偉官房長官)として、間髪入れずファクスの、24日にはメール記録の公開に踏み切った。
首相は同日の参院予算委で、金銭授受に関し、「妻と籠池夫人によるメールのやりとりには、10万円の話も、100万円の話も、一切ない」と力説。「口止め」との籠池氏の主張については「読んでもらえば、そうではないと分かる。極めて遺憾で悪意に満ちたものだ」と反論した。
借地契約をめぐるファクスに関しては、首相は「籠池氏側の要望をきっぱり断った」と説明。「ゼロ回答であり、(財務省が昭恵氏の意向を)忖度(そんたく)していないことは明らかだ」とも付け加えた。
政府・与党は当初、籠池氏を偽証罪に問われる証人喚問の場に置くことで「いいかげんなことが言えなくなる」(与党幹部)と期待していた。その目算は狂い、別の与党幹部は「ないことの証明はできない」と表情を曇らせた。
昭恵氏に対する政府・与党の風当たりも、強まりつつある。政府関係者は「昭恵氏の脇の甘さは相当だ」といら立ちを隠さない。自民党の西田昌司氏は参院予算委で、「奥さんの行動は、もう少し(首相への)配慮があるべきではないか」と苦言を呈した。
同党の石破茂前地方創生担当相はTBSテレビの番組収録で、「首相夫人がきちんと真実を述べる場所というか状況を、われわれはつくらないといけないのだろう」と述べた。記者会見などが念頭にあるとみられる。
◇財務省への照会が焦点
野党側は攻勢を強めている。民進、共産、自由、社民の野党4党の国対委員長は24日、国会内で会談し、昭恵氏の証人喚問を求める方針で一致。民進党の江田憲司代表代行はその後の記者会見で、「国有地がただ同然で売却された問題について、首相夫人の主導という疑惑が深まった」と断じた。
昭恵氏側が籠池氏の要請に応える形で財務省に照会したことを、野党は特に重視している。双方の密接な関係を裏付け、政治的関与を示す根拠と判断しているためだ。
24日の参院予算委で、民進党の福山哲郎幹事長代理は「各省庁に問い合わせをすることが関与、口利きだ」と指摘。共産党の小池晃書記局長も「(照会を)受ける側は、首相夫人や首相の意向があるのではないかと当然考える」と責め立てた。
「昭恵氏は(自ら)『家庭内野党』と言ってきたようだが、これだけ安倍内閣を揺るがすのだから強力な野党だ」。民進党の榛葉賀津也参院国対委員長は会見でこう皮肉った。
籠池側は、「これはもうだめだ」と悟った時点で死なばもろともで総理の首を取りに行ったのだろう。物証がない限り虚偽の証言をしたら刑事訴追などと言ってもどうにもならない。言いたい放題だからその部分の供述を考え抜いてぶつけたんだろう。相当に練った話にはなっている。で、それは言われてしまえば水掛け論で打ち消しようも何もない。見事に一矢報いたというところだろう。籠池側にしてみれば、「思い知ったか。効いたろう」というところだろう。この先、物証でも出なければ総理が辞任などに追い込まれることはないだろうけどここまで追い詰めればもっと瞑すべきと言うところだろうか。で、民進党は鬼の首を取ったように政府を追及しているが、そうであれば辻元議員の件についてなぜ籠池側の証言でその部分だけが虚偽なのか客観的かつ合理的な根拠を示すべきだろう。
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