米中首脳の電話会談は、安倍晋三首相とトランプ米大統領の首脳会談の前日というタイミングで行われた。トランプ政権が中国を遠ざけているとの印象を薄め、日本とのバランスを考慮した結果とみられる。

 
ホワイトハウスの声明は、電話会談は「極めて和やかだった」と友好的な雰囲気を強調。「人民元の為替操作」や「南シナ海での軍事施設建設」など、一連の対中批判も会談では封印された可能性が高い。

 
今回の電話会談でトランプ氏が「一つの中国」原則の尊重を確認したことで、新政権発足前から高まっていた米中の緊張はひとまず緩和に向かう。

 
1979年の米中国交回復以来の米国の対中政策の基本方針を改めて確認したという意味では、トランプ氏としても中国に譲歩した結果ではない、と主張することができ、むしろ実態としても、新政権下での米中関係は曲折を経て原点回帰を果たしたともいえる。

 
問題は、トランプ政権が今後、2国間の経済関係の前進を念頭に対中関係の「正常化」をさらに進めようとした場合、国際安全保障の分野で中国に対する出方が鈍る恐れが強まりかねないことだ。

 
実際、南シナ海をめぐっては、ティラーソン国務長官が指名公聴会で中国艦船が人工島に接近するのを阻止する考えを示していたのに対し、マティス国防長官は米海軍が係争海域で「劇的な行動」をすべきでないと戒めるなど、中国の意向に沿う方向でトーンダウンする傾向が早くも目立っている。


中国は台湾問題だけは妥協の余地がないと認識しているだろうから米国があまり台湾に寄り過ぎると戦争になる可能性がある。南シナ海問題もそれに近いが、こちらはまだ妥協の余地があるだろう。通商などの経済問題は大いに交渉の余地がある。戦争をすれば今なら米国が圧勝だろうけど米中が戦えば世界は大きな打撃を受けるし、米国も無事では済まない。トランプおじさんは言いたいことを言いまくってきたが、政権の中にはやはりバランス感覚を備えたものがいると言うことだろう。あの言いたい放題もある意味ポーズと取れないこともないが、・・。


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