安倍晋三首相は10日午後(日本時間11日未明)、トランプ米大統領とホワイトハウスで初の首脳会談を行い、日米同盟と経済関係を一層強化していくことで一致した。

 
両首脳は、貿易の枠組みや投資・雇用拡大策を協議するため、麻生太郎副総理とペンス副大統領らによる「分野横断的」な経済対話を創設することで合意。中国が領有権を主張する沖縄県・尖閣諸島について、米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象と確認した。首相は大統領の年内訪日を招請し、大統領も受け入れた。

 
会談は昼食会を含め約1時間40分に及んだ。両首脳は成果文書として、安全保障と経済の両面での協力強化をうたった共同声明を取りまとめた。声明では、日本防衛で核戦力を含む米国の抑止力提供を再確認するとともに、尖閣への安保条約適用も明記した。

 
日本側の説明によると、新たな経済対話のテーマは、(1)財政、金融などマクロ経済政策の連携(2)インフラ、エネルギー、サイバー、宇宙での協力(3)2国間の貿易枠組みの協議―と決まった。トランプ政権が環太平洋連携協定(TPP)離脱を決めたことから、今後、日米間で自由貿易協定(FTA)の交渉に入るかどうかが焦点となる。

 
経済協力に関し、首相は共同記者会見で「日本は高い技術力で大統領の成長戦略に貢献し、米国に新しい雇用を生み出すことができる」と表明。「経済関係を一層深化させる方策について、分野横断的な対話を行う」と述べた。大統領は「貿易関係を自由で公平な、両国が恩恵を受けるものにしたい」と語った。

 
同盟強化では、大統領は会見で「日本の安全保障に関与する。日米同盟はアジア太平洋地域の平和と安定の礎石だ」と明言。米軍の日本駐留に「感謝する」と述べた。首相同行筋によると、大統領から在日米軍駐留経費の負担割合に関する要請はなかった。

 
首相は「日本も積極的平和主義の旗の下、より大きな役割を果たしていく」と表明。自衛隊の役割拡大など具体策を外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)で検討することにした。両首脳は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設推進でも一致した。


会談は終始和やかに和気藹藹で終了したようだ。日本にとって米国は外交・安全保障上欠くべからざる存在だろうし、米国にとっても世界第3位の経済大国で高い技術力と相応の軍事力を保有する日本は最も重要な同盟国の一つだろう。しかも米国を非難したり文句を言ったりすることもない唯一の同盟国だし、・・。首脳会談の共同声明は当り障りのない無難なものだったが、今後分野別の交渉になるといろいろ要求が出てくるだろう。「日本の言うことも聞いてやるからこっちの政策にも協力しろ」と言うところだろうか。筆頭は米国の雇用創出への協力と防衛費の増額による防衛力の強化だろうか。無難に終わった首脳会談のようだが、問題はこれからだろう。


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