政府が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古移設で、同県の翁長雄志(おなが・たけし)知事が辺野古の埋め立て承認を撤回すれば対抗措置として代執行を検討していることが5日、分かった。代執行は、政府が県に代わって撤回を取り消す措置。翁長氏が3月末に期限の切れる岩礁破砕許可をめぐる政府の対応を問題視して最後の抵抗手段となる承認撤回に踏み切ると想定し、代執行で無力化する方針だ。
翁長氏が埋め立て承認撤回の根拠にするとみられる岩礁破砕許可は、海底地形を改変する行為を知事が認めるもので、平成26年に当時の仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事が許可した。政府は埋め立て海域のほか、その外側で工事による濁った海水の拡散を防ぐための汚濁防止膜を設置する海域でも岩礁破砕許可を得ている。
ただ、辺野古移設阻止を掲げる翁長氏が4月以降の岩礁破砕許可を更新しないとにらんで、政府は昨年11月、地元漁協から辺野古沖の漁業権の放棄を得ている。県漁業調整規則では岩礁破砕許可を得る対象は「漁業権の設定されている漁場内」と規定されている。漁業権が放棄された辺野古沖では許可は不要として政府は更新を求めない。
翁長氏は漁業権は消滅していないとの解釈を示す構えだが、政府は応じない方針。翁長氏が工事を中断させるには埋め立て承認を撤回するしかない。翁長氏は自身の知事就任など埋め立て承認後の状況の変化を撤回の根拠に加える可能性もある。
それに対し、政府は撤回を取り消す代執行を検討している。新たに承認や許可を得るのとは異なり、埋め立て承認のように以前から継続している処分が正当な理由もなく撤回された場合は、代執行を選択することが適切だと判断している。
一方、政府は6日、辺野古の埋め立てに向けた海上での本体工事となる護岸工事の準備作業に着手し、7日以降に汚濁防止膜を固定するためのコンクリートブロックを投下する。それに先立ち5日には、クレーンを搭載した作業船や海底ボーリングにあたる大型調査船など計5隻が現場海域に入った。
普天間の辺野古移設もいよいよ佳境に入ったようだ。政府も良好な日米関係を維持するためにはこれ以上の遅滞は許されない。何としてもここを突破して期限通り工事を完成させたいだろう。沖縄県知事側としては岩礁破砕許可の更新と埋め立て承認の撤回が最後の砦だろう。でも普天間基地を辺野古に移設すれば現状よりも悪くなることはないのだからいい加減にしたらいいと思うが、・・。
日本ブログ村へ(↓)