コペンも乗り始めて3カ月、1500キロ近く走ったので所感を書いてみよう。
外観
これはもう好きか嫌いか個人の好みだろう。ローブとエクスプレイの顔つきは品よく言えば「歌舞伎の睨み系」、ちょっと俗っぽく言うとちょい悪の「ボーイズギャング」「ちびっこギャング」系か。旧コペンやセロの丸目系が人気のようだ。どのあたりの年代をターゲットにしているのか分からないが、もう少し落ち着いた顔つきでもいいのかもしれない。でも、あの手の大きさで変に落ち着いているとまたおかしなものか。全体にはほどほどよくまとまっていいるかなと思う。エクスプレイのごつごつした外装は「意味不明」と言う意見もあるが、所詮はお遊びなので良いとしておこう。
室内
最初は、「なんだ、この小ささ、狭さは、・・」と思ったが、乗りなれてくると概ね大人2名分の快適スペースは確保されているように思う。室内高はやや足りないが、屋根を開ければ青天井で無限大なのでちょっと我慢か。でも指2本くらいは余裕があるのでポジションが決まってしまえば気にならない。収納はダッシュボードとセンターコンソール、ドアポケット、座席間ポケットだが、大きなものは入らない。ポケットは週刊誌1,2冊程度、助手席の足元は小ぶりのバッグくらいはおけるか。ドリンクホルダーは2本分があるが、座席よりも後ろになるので逆手で取らないといけない。ペットボトルなどは良いが、コップに入った飲み物は運転しながらと言うのは危ないだろう。シートはSなのでレカロだが、ダイハツのライセンスと言うのでヤマハ製オーリンズサスを「ヤマリンズ」と言うようにダイハツ製レカロだから「ダイロ」とでも言うべきだろうか。ブリッドよりはホールドもずっと緩やかでクッションもいい。座り心地は悪くはない。インパネは赤が多用されていてちょっと幼稚な感じがする。もうちょっと落ち着いたものでもいいように思う。内装全般はプラスチックが多用されていて高級感はないが、クラスと値段を考えればこんなものだろう。乗降性はちょっと技がいるが慣れてしまえばそれほどでもない。サイドシェルに足を引っかけないように気をつけないといけない。車中泊ができるかなんて質問があったが、イスで寝るのに慣れていれば1、2泊は大丈夫と思う。手足を伸ばして寝たいと言う人には決して勧めない。
電動ルーフ
このクラスの車に電動メタルルーフと言うのは並外れた贅沢なのかもしれない。国産車ではレクサスISくらいか。ロードスターでメタルトップが出たとか、・・。開閉は約20秒で収納動作を見るとなかなか感動モノではある。また逆も真なり。このルーフに50万くらいかかっているんだろうか。贅沢ではある。
視界
これはもう狭いの一語に尽きる。斜め後方はほとんど見えない。車線変更やバックするのはちょっと怖い。屋根を開ければいいかと言うと頭の上は遮るものがなくよく見えるが、全般の視界はそう変わらない。着座位置が低いので四周の視界はさほど良くはない。これも慣れれば、「ああ、こんなものか」ということになる。
収納
トランクは屋根を畳まなければ深さはないが結構広い。2名で1週間程度の旅行をしても大丈夫だろう。スポーツバッグの4個や5個は入ると思う。屋根をしまうと小型のデイパック2個+αくらいだろうか。あとは足元収納しかないが2,3泊くらいは何とかなるだろう。2名分の2,3泊のスペースはあると思う。ただし土産はあきらめるか宅急便で送ってもらわないといけないかも、・・。
動力性能
1速、2速での加速は、「おっ」と思うほどで加速は悪くはない。ギア比と過給で低回転からトルクを稼げるためだろうか。100キロ巡行も楽勝だし、その前後での加速も悪くはない。ただ元が660のターボなので絶対動力性能には限界がある。速度ではCカーにも負けるだろう。140キロ手前でリミッターが作動すると言うが試したことはない。コペンで他の軽以外の車と動力勝負をしてはいけない。ただ、排気音は結構いい音を作っていてその気にさせる。でも音で走るわけではないからねえ。
足回り
足は一昔前のスポーツカーのようにがちがちでコーナリングでもほとんどロールはしない。その代りに路面の凹凸は全部拾ってその振動を伝えてくるので場所によっては脳天を金属製のハンマーで叩かれているような感じがする。ここまで足を固めた理由は何なんだろうと思う。パワーの不足をコーナリング性能で補うつもりなのか。そんなわけで乗り心地は極めて悪いが、堅い足は嫌いではないし、すぐに慣れる。タイヤは165/50・16でポテンザだが、かなり特殊なサイズのようだ。グリップは悪くはない。
ステアリング
非常にキレが良く正確で切った分だけ車が曲がる。車を思うとおりに動かせる。このステアリングは秀逸だが、これまでステアリングが怠いトヨタのファミリー系しか乗ってこなかったからかもしれない。このキレのいいステアリングと異常ともいえるほど硬い足回りで山坂道を駆け抜けるのは速い。特にタイトなコーナーが連続するような場所では本格的スポーツカーとも張り合えるだろう。あの足の硬さはそのためかとも思う。
燃費
街中では15、6キロほど、高速では19キロほど、まあ、こんなものだろう。最近はオートマ(CVT)の方がMTよりも燃費もいいし、速いようだ。時代は変わったなあ。MTは5速だがごく普通でややストロークが長いかもしれない。カチカチと小気味よく決まると言うシフトフィールではない。コペンのマニュアルが評判いまいちなのははその辺りだろうか。
ナビその他
ナビは視界を遮って邪魔と言う意見もあるが、それほどでもない。画面はあまり見易いとは言えない。ナビにはドラレコとETC2が連動してついている。ETC2は渋滞情報などが表示される。将来はさらに使用範囲、受信情報が広がると言う。ドラレコもなかなか面白い。ナビは案内だけでなく車の様々な情報収集やAVの機能も持つ。カーエレクトロニクスも進歩したものだ。
総評
車としては自動化、省力化、省燃費が進む中で逆行している感があるが、車は走って曲がって止まるものと言う考えから行けばなかなか面白い車ではある。独身者や子育てが終わって手軽にスペシャリティの雰囲気を楽しむには良い車ではある。ただあくまでも軽なのでその点は割り引かないといけない。本当はロータスエキシージが、エリーゼでもいいが、欲しかったのだが、ちょっと日和ったかなとも思うが、・・(^_-)-☆。
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