マツコ・デラックスが夜の街に出没し、あてもなく気の向くままに歩く番組「夜の巷を徘徊する」(テレビ朝日系)。12月28日(水)夜11時20分からの'16年最後の放送は、“特別編”と題してトヨタ自動車の開発拠点となっている研究所を訪問する。
この番組は録画しておいた。トヨタの東富士兼研究所はトヨタの研究開発の中心地で企業秘密の塊のような場所でよく中を見せたなと思う。以前にマツコはトヨタの元町工場を見学しているが、今年、元町工場に行って、「マツコ来ただろう」と聞いたら、「ええ、1年前に、・・」と言っていた。
マツコは結構毒舌なんだけどその場その場で言葉を選んで必要以上のことは絶対に言わない。その辺はなかなか頭がいいタレントだと思う。トヨタの社長もマツコが気に入っているのか2回も取材に応じて自ら接待をしている。これもいい宣伝にはなるのかもしれない。
トヨタと言えば資産総額は20兆円以上、連結で従業員数は35万、その気になれば次期主力戦闘機だって自主開発できるほどの財力、財力だけだけど、を持っている超巨大企業で、その頂点の社長だから社員にしてみればそれこそアンドロメダ辺りの存在なんだろうけどマツコは結構タメ口聞いていて面白い。
東富士研究所の前は何度も通っているが、中は全く窺えない。どこで何をやっているか分かるとまずいそうで背景にもぼかしが入るくらいだが、自動車会社がやっていることなど一緒だろうし、ヘリか何かで上から見られれば蓋をするわけにもいかないだろう。
でも基礎研究から新車開発、モータースポーツ開発までいろいろとやっているようだ。昼飯を食っている時にマツコが社員に、「トヨタってどんな会社だ。言ってみろ」とか社長の前で言わせていたが、僕に言わせれば、「面白くない」の一言に尽きる。
トヨタはずっと昔から『80点主義』だの『無難な車作り』だのと言われてきた。日産は一時期、「千分の一秒が分かる人のために、・・」とか言って技術を売り物にしていたが、千分の一秒が分かる百人よりも百分の一秒も分からない一万人、十万人を相手に車を作る方が商売としては賢いと思っていた。それが商売の鉄則だし、商売にはそういう割り切りも必要だろう。
そうした割り切りを支持する気持ち、それは今でも変わらない。でもなあ、あれだけ大きな会社なんだから目で見て乗りたくなるような、乗って楽しくて忘れられないような、そんな車の2つや3つくらい出してもいいんじゃないか。そりゃあレクサスにはGSFやRCFとか1千万越えばかりじゃないか。買えない額ではないけれど車に1千万も注ぎ込もうとは、・・うーん、それならロータスがいい。
トヨタにも看板になりそうなスポーツカーがあったじゃないか。スープラとかセリカとかMR-Sとか、・・。スープラはちょっとでかいかなと思うけどセリカはなかなか良かった。特にGT-4は憧れだったなあ。それからMR-Sも悪くない。ディーラーで1度試乗したが、なかなか面白かった。
日産という会社はあまり好きではないが、えらいと思うのは未だにフェアレディZを作り続けていること、マツダもロードスターをコツコツと作り続けている。Zなんて500万前後の価格だけど商売としては絶対に赤だと思う。それでもなぜ作り続けるのかと言えば、それが「日産の顔」だからだろう。GT-RとフェアレディZは絶対に捨てないと、・・。マツダも一緒、トヨタがマツダにスポーツカーのノウハウを聞きに行ったら、「どんな時でも作り続けること」と言われたとか、・・。
トヨタはC-HRというSUVを発売した。プリウスのプラットフォームを使って今人気のSUVを作ったようだ。評判も極めてよろしくバックオーダーが3万台とか、・・。でもそれって今を時めく人気車種でそれだから作ったんだろう。売れるものを作る、それは商売の鉄則だからそれはそれでいい。でもねえ、見て乗りたくなる、乗って楽しくなる、そういう車が会社の顔としてあってもいいんじゃないか。
スポーツカーなんて時代に逆行している。燃費→悪い、ユーティリティ→低い、乗降性→悪い、イメージ→危ない、だけど車は走って曲がって止まるもの、それを高いレベルで融合させた車と言うのが会社の顔としてあってもいいんじゃないか。G'sなんてあんな取ってつけたような車じゃなくて、・・。
若者の車離れなんて言うけど給料は安くて上がらない、車の価格は高いでは買いたくても端から諦めてしまう。しかも走る収納ボックスのような車ばかり、・・。車の運転てもしかしたら楽しいかもしれないと思わせるような車がないからなあ。スープラにしてもセリカにしてもMR-Sにしても作り続けていれば会社の顔になっただろうにねえ。もしもセリカGT4が残っていたら今回間違いなく買っただろうけどねえ。あれ、本当に格好良かった。
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