民族間の対立が続く南スーダン情勢をめぐり、国連安全保障理事会は23日、同国への武器禁輸を含めた米国提案の制裁決議案を採決したが、日本など8カ国が棄権し、否決された。日本は、現地の国連平和維持活動(PKO)に派遣する陸上自衛隊への影響回避を優先し、同盟国である米国と異なる投票行動を取る異例の措置となった。

 
安保理決議案は9カ国以上が賛成し、かつ常任理事国5カ国が拒否権を行使しなかった場合に採択される。南スーダンの制裁決議案に反対した国はなかったが、賛成は米英仏など7カ国にとどまり、日本、中国、マレーシア、ロシア、エジプト、セネガル、アンゴラ、ベネズエラの8カ国が棄権し、廃案となった。

 
「投票結果には非常に失望している」。否決された後、米国のパワー国連大使は記者団にこう述べ、不満をあらわにした。民族間の対立が深まる中、武器が大量に流入することで「ジェノサイド」(民族大虐殺)の発生を懸念するパワー氏は、「国連がジェノサイドを警告する中で、各国の投票が記録されたことはとても重要だ」と述べ、名指しを避けながらも日本などの対応を批判した。

 
これに対し、日本の別所浩郎国連大使は否決後、「南スーダン移行政権が前向きに取り組む中で、さらなる制裁を科すのは逆効果となりかねない」と棄権した理由を述べた。

 
北朝鮮やシリア問題などの安保理決議で歩調を合わせてきた日米だが、対南スーダン制裁に消極的な日本についてパワー氏は19日、「理解できない」と公然と批判。日本は、現地に派遣する自衛隊の安全確保を考慮し、現地政府と国連との溝が深まり情勢が緊迫することを懸念して慎重な立場を貫いた。


話せば分かる、相互理解が大切が日本、どんなに議論しようが何をしようが、理解し合えないことがあるのはやむを得ない。その場合は実力行使が米国、要は集団順応主義と個人主義の違いと言うことだが、・・。まあ、自衛隊を人質に取られているんでねえ、その辺もあるとは思うけど、話しても分からんことはいくらでもあるわな。


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