三菱重工業は18日、巨額の赤字を出した大型客船の建造事業から撤退する方針を発表した。今後は排水量5万トン程度までの中小型客船に絞り込むほか、他社との提携を強化して収益改善を図る。ただ、造船各社は世界的な「船余り」に苦しんでおり、抜本的な改善は難しい状況だ。
三菱重工の客船事業をめぐっては、米クルーズ船大手から豪華客船2隻を受注したものの、納期が遅れて計2375億円の巨額損失を計上していた。4月に立ち上げた事業評価委員会は大型客船について、「中国市場の成長で一定の需要が続く一方、将来的には建造能力に余剰が発生する」と指摘。大型客船用の部品や設備の一部は海外から取り寄せなければならず、コスト面でも事業継続は得策でないとした。
同社は今後、部品などを国内から調達しやすい中小型の客船に絞り込む。10万トン超の大型客船を建造できるのは、日本では三菱重工に限られている。同社が撤退すれば、国内での大型客船事業が途絶えることになりそうだ。
一方、今治造船(愛媛県)、大島造船所(長崎県)、名村造船所(大阪市)3社との提携協議は平成28年度中に結論を出す考えだ。三菱重工の商船事業の設計などを手がける部門を分社化し3社と合流させる案や、造船所の共同利用案などが浮上している。
造船会社では、川崎重工業も赤字が膨らんでいる船舶海洋事業を抜本的に見直す方針を示している。
客船と言うのはどんがらよりも内装が難しいと言われる。船体はそれなりに作れるが、格調高い内装仕上げが客船の命でそうした内装を手掛ける技術がないと客船の建造は出来ないという。三菱重工もそうしたノウハウの欠如で損害を出したのだろう。例の不審火の件もあるが、・・。客船の内装を手掛ける会社と連携すればいいのだろうが、手間暇かけるよりも切って捨ててしまった方が手っ取り早いのかもしれない。元々、日本は大型客船よりも中型の客船や貨客船を得意としていたので原点に立ち返ろうというのかもしれない。残念ではあるが、三菱重工は宇宙航空に特化した方がいいように思う。
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