飢えて栄養失調になることを「栄失(ヨンシル)にかかる」と、北朝鮮では言う。あまり知られていないが、「軍に入隊することは『栄失』になること」というのは、もう20年も前からの北朝鮮の社会常識である。
金正日-金正恩政権は、軍隊を最優先にし、軍隊中心に体制運営をして行くという「先軍政治」を掲げてきた。しかし、肝心の兵隊の多くが飢えに苦しんでいる。なぜか?
金正日-金正恩政権は、軍隊を最優先にし、軍隊中心に体制運営をして行くという「先軍政治」を掲げてきた。しかし、肝心の兵隊の多くが飢えに苦しんでいる。なぜか?
北朝鮮の人口は約2000万人。人民軍の兵力は100万超、人口の5%になるとみられている。今の北朝鮮国家に、この大兵力を食べさせる経済力がないのが一番目の理由だ。
二番目の理由は不正腐敗の蔓延だ。国家から支給される食糧を、幹部たちが横領して売り飛ばしてしまうのだ。そのため、末端の兵士、初年兵はいつもお腹を空かせることになる。
「女性兵士は、生理が止まってしまうのが普通です。『栄失』が酷くなって動けなくなり、そのまま死んでしまうこともあります。親は息子、娘が入隊すると心配でたまらず、部隊に送金を続けほどです」
このように北朝鮮内部の取材協力者たちは口を揃える。
軍隊はもちろん、警察、消防のような体力勝負の職場では食うことは十分に食わせないと機能しなくなる。補給もなく空腹に耐えながら驚くべき敢闘精神を発揮して戦ったのは帝国陸軍だけかもしれない。これは現場が偉かったので補給も出来ないところに大部隊を派遣して見殺しにした上層部は厳しく非難されるべきだろう。武器弾薬、食料、衣類、医薬品くらいは不足ない程度に補給してやらないと話にならない。しかし、これは戦闘中の外征軍の話で国内にいながら満足に食わせられないでは話にならない。この話が本当ならこの軍隊は戦争になれば一部の精鋭部隊を除いてあっという間に崩壊する。自国の軍隊でなぜ餓死するようなことが起こるのか。北朝鮮軍は襲るるに足らない。食う、寝る、そしてもう一つ、それを確保するのにどこの軍隊も頭を痛めている。
日本ブログ村へ(↓)